前回、ストレスは3段階で悪化するというお話をさせていただき、第1段階の「警告期」について触れました。今回は、第2段階と第3段階についてお話します。
第1段階の警告期では、ほとんどの人は自覚がなく、精神的には疲れていなくてもからだの方はひそかに危険信号を発している時期であることをお話しましたよね。「プチストレス」の段階です。
そして、第2段階の「抵抗期」に進むと、ストレスに対して、心や体が反発・抵抗する時期にはいります。ストレスを受けていることはわかっているのですが、何とかそれに負けまいとして、さらに無理をしてしまいます。そのため、疲労感が興奮に変わったり、逆に脱力感に陥ることもあります。このころは、「仕事を抱え込んだり、仕事に夢中になり休まなくなる」「胃が痛んだり心臓がドキドキする」などの症状が現れます。本人は、ストレスを受けていることには気づいているのですが、病気になるはずはないと思っています。
でも、実際は、いつ本格的な病気になってもおかしくない状態です。周囲がおもいやりある言葉をかけても受け入れられない状態になっていることがほとんどです。周囲の人たちが気づいたら、本人が心を癒せるような対応をしてあげるといいかもしれませんね。
そして、第3段階の疲憊期(ひはいき)にはいると、心もからだも燃料が空になったように、踏ん張りが利かなくなって、自分の力ではどうにもならなくなる時期で、疲れきって、本格的に心の病気に移行します。「集中力がなく、物忘れが非常に激しくなる」「何事にもおっくうで、なにもする気がしない」「睡眠障害、食欲不振、不安などの症状が現れる」「うつ病などの心の病気になる」など重い症状が現れてしまいます。
ここまで症状が悪化すると、家族や、周囲の力だけではどうすることもできず、専門医による医学的治療が必要になってきます。こうなる前に、少しでも早く周りが危険信号をキャッチするようにして、悪化を防ぎたいものです。どんな病気も、悪化すると手当てするのにとても時間がかかってしまいます。早期発見、早期治療が一番ですし、何より予防が一番大切ですよね……。