「ガチャポン」と呼ばれる玩具入りのカプセルを誤飲し、重度の脳障害を負ったとして、鹿児島市の男児(9)と両親が製造元のバンダイナムコゲームス(東京都品川区)に約1億800万円の損害賠償を求めた訴訟は3日、同社が解決金を支払うことで、福岡高裁宮崎支部で和解した。双方とも金額は明らかにしていない。
一審鹿児島地裁は昨年5月、同社に約2600万円の支払いを命じたが、双方が控訴していた。
記者会見した原告側弁護士によると、同社は事故後、カプセルの通気孔を広げ、注意を促す表示を増やすなどの再発防止策を講じた。和解内容の中で、同社は今後も安全な製品の製造努力を続けるとしている。
訴状によると、男児は2歳10カ月だった当時の2002年8月、鹿児島市の自宅で、ガチャポン用の直径40ミリのカプセルを誤飲し、脳障害など後遺症を患ったという。
原告側弁護士は「会社には誠実な態度を取ってもらい感謝する。今後誤飲が少なくなるという点で訴訟の目的は達成できた」と話した。
同社広報部は「これまで以上に安全・品質基準の見直しを行い、遊び方や注意に関する表示など、事故を未然に防止するための工夫を推進する」とコメントした。