地域交友大会
日時:11月8日
場所:桜岡ふれあいの家
内容:歯と健康
講師:やぶしたフラワー歯科医院
薮下 吉典
インフルエンザウイルスの大きさは0.1マイクロ・メートル(1万分の1ミリ)ほど。通常は、患者がせきなどをした際の飛まつ(唾液などの細かく飛び散る水)に入って、周囲の人の口や鼻に侵入する。
飛まつの大きさは5マイクロ・メートルほど。同社のかぜ用のマスクは、直径3マイクロ・メートルの粒子を95%以上通さない細かい目のフィルターを使っているので、飛まつの侵入を抑制できるという。他社にも同様のタイプがある。
だが、こうしたマスクでも顔とマスクの透き間から飛まつが入る可能性があり、効果は限定的だ。
厚生労働省の新型インフルエンザ対策会議では、マスクについては、感染した人が周囲にうつさないために着用することを第一に勧める。
予防法として厚生労働省では①手洗いやうがいを日常的に行う②感染者の2メートル以内に近づかない③人込みや繁華街への不要不急の外出を控える④十分な休養やバランスの良い栄養をとり、体力や抵抗力を高めて感染しにくい状態を保つなどをあげる。
読売新聞 2009.9.5
長期入院していたサトさんの口腔ケアを担当していたTさん。サトさんは経鼻
経管で栄養を摂っていた患者さんです。管を嫌がっていつも抜いてしまうので、
抑制のためにミトンをつけていました。
そんなサトさんの所へ、ご家族がそろってお見舞いに来られた時のことです。
ミトンをつけ、鼻から管を入れられているおばあちゃんを見たお孫さんは、顔を
こわばらせてサッとお父さんの影に隠れてしまったとか。サトさんがお孫さんを
かわいがっていたことを知っていたTさんは、「寂しいだろうな……」と思った
といいます。
ある日、口腔ケア中にサトさんが唾液をゴクンと飲み込んだ気がしたTさん。
「あれ、もしかして飲み込めるのかな!」。ふとそんな考えがよぎったものの、
確信が持てずそのままになっていました。
病棟に“嚥下チーム”ができたのは、ちょうどその頃です。Tさんは、チーム
ミーティングで、気になっていたサトさんのことを話してみました。意見を出し
合い、チームのSTを中心に嚥下評価をすることに。みんなの結論は、「口から
食べられる」でした。その報告を受けた主治医は、サトさんの管を抜くことに決
めたのです。
経口摂取が可能になったことで、グンと回復のスピードがアップしたサトさん。
長い入院生活を終える日、迎えに来たのは息子さんご夫婦とお孫さんでした。
お父さんの後ろに隠れるようにして病室へ入ってきたお孫さん。恐る恐るお父
さんの膝の影から顔を出しました。元気になったおばあちゃんを見て、顔の表情
を和らげます。サトさんは、にっこりしてお孫さんの手を握りました。
Tさんは、その時のことを振り返ってこういいます。
「チームができて、相談しやすくなったんです。もし、一人で口腔ケアをしてい
たら……。サトさんは今もミトンをはずせず、経管のまま口から食べられずにい
たかもしれません」
多職種で連携し、みんなでケアできたことがサトさんの退院を早めたのです。
Tさんの話を聞いて、チームができたことで病棟全体の力が確実にアップしてい
るのを感じました。チーム医療の可能性は、今まで考えてきた以上に大きい。
「これからの広がりが楽しみです」と話すTさんの表情が、とても生き生きして
いました。