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 「この顔、本当におとうさんなんですか?」 

急性期病院のICUにお勤めの看護師Fさんにお話を伺いました。ご家族の意外な言葉に、入れ歯の大切さをあらためて感じたというお話です。

その日、救急車で搬送されてきたのは60歳前後の男性Tさん。心筋梗塞で、
搬送されてくる間に意識を失い心臓停止状態だったそうです。救急車を降りてか
らICUに運ばれる間も、ご家族の目の前で心臓マッサージが続いたといいます。
緊迫するICU。数分間マッサージを続けると、停止していた心臓がやっと動き
始め、スタッフは胸をなでおろしました。
「もう大丈夫ですよ。中へどうぞ」
 Fさんが声をかけると、ICUの前で立ち尽くしていた奥さんと娘さんのこわ
ばった表情が一気にゆるみます。くいいるようにTさんを見つめるお二人。その
とき、思いがけない言葉を奥さんがつぶやきました。

「……この顔、本当におとうさんなんですか?」

 意外な言葉に驚いたFさんは、なぜそんなことを聞くのか奥さんに尋ねてみま
した。すると、困った口調でこう答えたのです。
「入れ歯をはめていないと別人のようだわ。入れ歯を入れてもらうことはできま
すか? こんな顔を見たら孫が大泣きしてしまいます……」

 確かに、蘇生のときに入れ歯をはずしたTさんの顔は、口元に張りがなく、年
齢より10歳以上は老けて見えました。でも、生きるか死ぬかというときに何を
いい出すのだろうと、Fさんは思ったそうです。
 けれども、奥さんの真剣な顔を見てハッとしました。こんな状況だからこそ、
いつもと同じおとうさんであって欲しいと願うのかもしれない。そう思い直した
といいます。

 命に関わる治療が優先で、入れ歯など二の次だと思うのは医療者の発想ではな
いか。それ以来、Fさんは主治医や歯科スタッフと相談して、できる限り早い時
期から、入れ歯を入れるようにしているとのこと。それは患者さんの食べる機能
の維持に必要なのはもちろん、ご家族の安心のためにも大切だとFさんはいいま
す。

冬将軍到来!

 本日旭川の気温ー8℃と引き締まる思いでした。ようやく冬到来といった感じです。その思いにひたっていると旭川から50㌔北部の幌加内では、-20℃と異常な寒さです。むかし、友達の家に宿泊したころ夜更けにコーラ(ガラス瓶)が凍って割れた記憶が蘇りました。朝帰宅するとき目の周りが凍ってまばたきしにくくなったことを思い出されます。

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