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あせらず、ゆっくり。そしてあきらめず

今回訪ねたのは、精神科病棟に勤める看護師歴25年のSさん。現在入院中の礼子さん(仮名)のケアから、大切なことを学んだと話してくれました。
礼子さんが転院してきたのは半年前。常に頭を持ち上げようとし、首や頬が緊
張状態で口が開きませんでした。口腔内を清掃しようと試みたものの、食いしば
りもひどく、唇を上げ前歯の表面を磨くだけのケアが続いていたそうです。
先日、口腔ケアのセミナーに参加したSさん。口が開かない人へのマッサージ
などを学ぶ中、何より心に残ったのが講師の最後の言葉でした。
「大切なのは、とにかくあきらめずに続けること。すぐに変化がなくて当たり前
って思うといいわね。あせらず、ゆっくり続けましょう」
 それを聞いたSさんは、礼子さんのことがパッと思い浮かんだといいます。
「少しケアをして変わらないからといって、口が開かない患者さんだとすぐに決
めつけていました。もしかして、口腔内を掃除できるかもしれないのに……」
翌朝からSさんは、礼子さんのかたくなった部分にあたたかいタオルを当てて
マッサージをしました。顔の周りの筋肉は少しずつ柔らかくなり、ケアの時間内
にマッサージできる範囲が次第に広がっていったそうです。そして、1週間後に
は歯ブラシの柄をかませて歯の裏を磨けるまでに。
"あせらず、ゆっくり。そしてあきらめずにケアをする”
 そう決めたら、いつのまにか患者さんにリラックスして欲しいという優しい気
持ちでマッサージしていたというSさん。毎朝続けるうちに、患者さんの表情が
柔らかくなってきたのだと、嬉しそうに話してくれました。

「朝の舌みがき」で口臭予防 専用ブラシやタブレットがおすすめ

江崎グリコはこのほど、全国20~50歳代の男女800人を対象に、口臭予防に効果的な「舌みがき」に対する意識と実態について調査を実施した。それによると、自分の口臭を気にしている人は91%で、特に20代の意識が高く、気になるタイミングとしては起床時の74%が最も多かった。
 また、口臭の最大の原因が舌の汚れだと感じている人はわずか9%、歯垢、歯の間の食べかすなど歯の汚れやニオイの強い食べ物などを下回った。下の汚れに対処している割合や頻度も比較的低く、口臭の原因である「舌苔」に対する関心の低さが浮き彫りになった。
                  食品産業新聞 2010.8.9

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