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重症者は脳や血管に負担 いびき/2

「あなたもいびきをかくのでは?」。国立病院機構福岡病院の中野博・睡眠センター長は記者(33)を見て言い当てた。身長173センチ、体重65キロ。あごは細めで「標準体形」を自任してきたが近年、おなかが出てきた。就寝時は別室に避難する妻の観察によると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではないようだが、中野センター長は「音の強いいびきはそれだけで要注意」と警告する。

 中野センター長によると、SASを発症していない88人を、いびきの音の強弱で4段階に分けて調べたところ、最も弱いレベル1は就寝前と起床時の血圧に差がなかったのに対し、レベル4は起床時に13%上昇した。別の調査では、いびき重症者は軽い人より脳に血液を送る頸(けい)動脈に動脈硬化が起きる確率が3倍に増えた。

 いびきによる呼吸は、睡眠時に舌やのどの筋肉が緩み、舌根(ぜっこん)が沈み込んで気道咽頭(いんとう)をふさぐため、細いストローでするようなもの。専門家は「努力呼吸」と呼び、強い音は努力が激しい証拠だ。睡眠中も盛んに心臓が働き続ける上、血中の酸素飽和度が繰り返し下がるので脳や血管に負担がかかる。

 体形もカギになる。首やのどに脂肪がつく肥満は一大因子だが、細身でもあごが小さいと舌が収まらず気道に落ち込みやすくなる。あごの細いスリムな人が中年太りすると黄信号だ。

 いびきが強いほどSASを発症する傾向も高まるという。中野センター長は「家族が眠れないような音なら早めに治療を」と呼びかける。=つづく

今季のインフル死亡例、約半数が高齢者- 厚労省が疫学情報

厚生労働省は2月10日、今シーズンのインフルエンザ患者の死亡例や重症例についてデータをまとめた「医療従事者向け疫学情報」をホームページ上で公表した。それによると、死亡例の約半数が65歳以上の高齢者だった。厚労省では「高齢者に死亡例の多い季節性のパターンに近づきつつあることが示唆される」としている。
 厚労省では、2009年8月3日―昨年3月23日を昨シーズン、昨年9月6日から今年1月30日までを今シーズンとして、疫学情報を分析した。
それによると、今シーズンにインフルエンザで医療機関を受診したのは推計で約490万人。国民の26人に1人が医療機関を受診したことになる。年齢別では、15歳未満の小児が他の年齢に比べて多く、昨シーズンの傾向に類似していた。

 今シーズンの死亡例は57例で、受診者の9万人に1人が死亡したことになる。昨シーズンの198例と比べると、65歳以上の高齢者の割合が大きく増加。昨シーズンは28.3%だった高齢者が、今シーズンは49.1%に上った。平均年齢は56.6歳で、昨シーズンの48.1歳から8.5歳上がった。

 重症例は、▽急性脳症▽人工呼吸器を装着▽集中治療室に入室―のいずれかに該当した人で、今シーズンは188例が報告された。受診者の3万人に1人が重症化したと推計される。
 昨シーズンの1642例と比べると、昨シーズンは15歳未満の小児が68.8%を占めたのに対し、今シーズンは35.6%で、より高い年齢層での重症例が多く報告された。平均年齢は37.1歳で、昨シーズンの20.4歳から16.7歳上がった。
( 2011年02月10日 22:47 キャリアブレイン )

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