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千葉県がんセンター、歯科医の医科麻酔で家宅捜索

 千葉県がんセンターは2月18日、同センターの歯科医が指針で定めた手続きをとらずに医科麻酔を行っていた疑いがあるなどとして、医師法違反容疑で千葉県警の家宅捜索を受けた。同センターは家宅捜索で、書類やカルテなどを押収されたという。
 捜査対象となっているのは、同センターで研修中の30歳代の歯科医師。2010年5月からの約半年間で50回前後の医科麻酔を実施していた。歯科医による医科麻酔は、研修目的であれば認められる。ただし研修を実施するには、厚生労働省の「歯科医師の医科麻酔科研修のガイドライン」に基づく手続きが必要だ。
 ガイドラインでは、研修を希望する歯科医師が所属施設の長や研修施設の長などから承認を受けた上で、インターネット上で登録を行い、研修修了時には報告を行うなどの手続きが定められている。また、歯科医師が研修目的で麻酔行為に参加するには、患者への説明や同意が必要となる。各症例については、研修指導者である麻酔科指導医、麻酔科専門医、麻酔科認定医が責任を負う。

 家宅捜索を受け、同センターは「問題はないものと認識しているが、捜査には全面的に協力する」との声明を発表。担当者らが事情聴取などに応じている。

 同センターには、麻酔科専門医1人、麻酔科医員2人のほか、十数人のパート医が勤務。加えて、2010年度は4人の歯科医が研修を行っていた。

虫歯のもと「ねばねば」作る酵素、初めて解明

虫歯のもとになる“ねばねば成分”を作り出す酵素について、静岡県立大などの研究チームがその立体構造を初めて解明したと17日発表した。
この酵素だけをねらい撃ちし、虫歯を効果的に予防する薬などの開発に役立つと期待される。
虫歯は、糖分の一種で粘着性の「グルカン」にすむ細菌から出る酸が、歯を溶かして起こる。グルカンは歯周病を起こす歯垢(しこう)の原因にもなる。グルカンを作るのはミュータンス菌の出す酵素「グルカンスクラーゼ」で、でんぷんを分解する酵素アミラーゼなどと似た構造だが、詳しい違いまではわからなかった。
同大の伊藤創平助教らは、この酵素を人工的に大量に作り出すことに成功。X線を使って分析した結果、アミラーゼにはないらせん状構造の部分などが、グルカンを作り出す機能にかかわっていることがわかった。グルカンスクラーゼの働きを邪魔する物質には、緑茶に含まれるカテキンがあるが、立体構造がわかれば、他の食品での探索や化学合成の手がかりになる。
2011年2月19日 提供:読売新聞

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