記事一覧

いびき ② 重症者は脳や血管に負担

いびきによる呼吸は、睡眠時に舌やのどの筋肉が緩み、舌根が沈み込んで気道咽頭をふさぐため、細いストローでするようなもの。専門家は「努力呼吸」と呼び、強い音は努力が激しい証拠だ。睡眠中も盛んに心臓が働き続ける上、血中の酸素飽和度が繰り返し下がるので脳や血管に負担がかかる。体形もカギになる。首やのどに脂肪がつく肥満は一大因子だが、細身でもあごが小さいと舌が収まらず気道に落ち込みやすくなる。あごの細いスリムな人が中年太りすると黄信号だ。
               毎日新聞 2011年2月16日

いびき ① 眠気のない睡眠時無呼吸症候群も

 いびきによって一時的に息が止まる睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、03年にJR山陽新幹線の運転士が居眠り運転トラブルをきっかけに注目を集めた。いびきは、舌根が沈み、気道咽頭がふさがれて起きる。その時、10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上、あるいは一晩(7時間)に30回以上でSASと診断される。熟睡感が得られず、常に眠気が抜けないイメージが一般的だが、谷川武・愛媛大医学部教授は「眠気の自覚がないSASの方がむしろ多く危険」と指摘する。06年にトラック運転手5287人を対象とした調査では、10%に中等度以上の睡眠呼吸障害を確認した。だが眠気を聞くテストでは、重症者の76%が自覚していなかったことが判明。慢性的な眠気を加齢による疲れやすさと誤解し、缶飲料たたばこで紛らわすことが多いと考えられるという。
              毎日新聞 2011年2月15日

過去ログ