歯磨きの底力 自ら気付ける大人に
小学校までに当たり前のように身につけた歯磨き習慣を、中高生の時期にどう継続させるかが大きな課題となっている。永久歯がそろい歯への関心は薄れる一方、塾や部活動、友人関係のストレスから生活リズムは一変する時期だ。スポーツと歯の関係や口臭など多角期に好奇心へ訴え考えさせる工夫などが学校現場で重ねられている。茨城県日立市では4年前から学校歯科医に中学校での喫煙防止講座を依頼している。喫煙で変色した歯肉の写真を見せると、肺などのダメージとは異なる影響がわかり、口腔(こうくう)への関心も高まる。同市保健福祉部の担当者は「喫煙への関心を持ち始める中学生にどう働きかけるか。時間がとれない学校を説得する切り札が喫煙防止講座と歯科保健指導とのセットだった」と話す。中高生は教育の場が、歯や口の健康管理を身につけさせられる最後の機会である。
日本経済新聞 2011.8.2