くしゃみやせきをしたときに、喉の奥から乳白色の小さな塊が飛び出したことがありませんか?「何だろう?」とにおいを嗅いでみるとドブのような猛烈な悪臭。これは喉の奥のへんとうという免疫組織に現れる「膿栓」または「臭い玉」と呼ばれるもので、口臭の原因になります。へんとうは多くのリンパ球が集まっている組織で、その表面には陰窩と呼ばれる無数の穴が開いており、リンパ球と接触する表面積を広くすることで、細菌などの異物を効果的に処理できる構造になっています。陰窩の奥にたまった細菌の死骸や食べカスの塊が膿栓です。誰にでもできるものですが、できやすさには個人差があり、口呼吸などの習慣や体質が関係していると考えられています。膿栓は、冬のように空気が乾燥した時期になるとできやすいようです。外から帰ってきたら必ずうがいをする、食後にしっかり歯をみがくなど、のどや口の中を清潔に保つことが大切です。(北大病院歯科診療センター講師)
2011.9.28 北海道新聞