読売新聞 1月16日(月) 配信
新潟県内で15日、公共施設や商店にある障害者らの専用駐車場利用者に許可証を発行・提示してもらう「県おもいやり駐車場制度」が始まった。
障害者用スペースを健常者が使うことを防ぎ、有効利用につなげるのが狙い。佐賀県が全国で初めて2006年に同様の制度をスタートさせており、新潟県は全国では23番目の取り組みとなる。
障害者用駐車場は、店舗入り口付近の便利な場所にあり、乗り降りがしやすいように幅が広くとってある。県によると、従来は対象外の健常者が利用するケースも目立ったという。
また、身体障害者らが乗用車に貼るステッカーは、市販されており、健常者も購入可能で、「公的な利用証が必要」と判断した。
対象は、身体障害者や高齢者、妊産婦。駐車時に、利用証を車内のミラーなどにぶら下げて、許可を受けていることが分かるように掲示する。
県のホームページや各市町村の窓口などで申請書は入手でき、申請後、2週間程度で利用証が自宅に郵送される。有効期限は原則5年。現在900人以上が県に申請しているという。
一方、この取り組みに協力する施設には、看板を立ててもらい、利用者に分かりやすい工夫を行っている。13日現在、スーパーなど148店舗、639台分が確保されている。同様の制度を導入している近隣の山形、栃木、福島、群馬、茨城の5県では相互利用も可能。
この日は、新潟市江南区の大型ショッピングセンターイオンモール新潟南で開始式が行われた。県福祉保健部の若月道秀部長が、身体障害者団体の代表者2人に利用証を手渡した。
県身障ドライバー協会の水野京子会長(67)は、「車のドアを全開しないと乗り降りが出来ない障害者にとって、通常の駐車場では、隣に車が止まっただけで立ち往生してしまい、不安が大きかった。今回の取り組みをきっかけに、障害者用駐車場の必要性を広く理解してもらえればいい」と期待していた。