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インフル患者報告が前週から倍増- 5-9歳は約4倍に

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インフルエンザ定点医療機関(全国約5000か所)当たりの患者報告数が、9-15日の週は7.33人で、前週(3.76人)から倍増したことが20日、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。この値を基に同センターが推計した定点以外を含む全医療機関の受診患者数は約40万人。特に、最も多い5-9歳の患者数は約8万人で、前週(約2万人)から約4倍に急増している。

 推計患者数を年齢層別に見ると、5-9歳が20%を占めたほか、0-4歳も15%に上った。以下は、前週最も多かった30歳代が12.5%、10-14歳、20歳代、40歳代がそれぞれ10%などだった。

 都道府県別では岐阜の23.82人が最多で、以下は愛知(22.63人)、三重(21.92人)、高知(19.52人)、福井(16.38人)などの順。全都道府県で前週を上回った=グラフ=。

 警報レベルを超える保健所地域は18か所(8府県)で、前週から4か所増加。注意報レベルのみ超える地域は112か所(29道府県)で、3倍近くに増えた。

 2011年12月5日―12年1月8日の5週間に検出されたインフルエンザウイルスは、A香港型が92.1%で、B型が7.3%。インフルエンザ2009の検出も0.6%あった。

食べる幸せ いつまでも

患者や家族が在宅医療に踏み切ろうとする時、いくつかの壁が立ちはだかる。その一つが、食物が誤って気管に入る誤嚥の恐怖だ。78歳男性は食べることが大好きだった。年を重ねるにつれ、食べ物を飲み込む嚥下力が衰えた。食べてはむせる。体はやせ細り、寝たきりになった。
 病院医師の勧めで、へその横から胃へ穴を開けて、栄養液の注入口にする「胃ろう」を作るための手術を受け、2009年秋に自宅へ戻った。デイケア施設に行くと、みんな楽しそうに昼食を食べている。自分は、胃ろうに管をつなぐだけ。食事の時、男性はいつも昼寝をしているふりをした。しょんぼりしている男性を見かねた在宅主治医が、口の機能検査を受けたらどうかと提案した。
 野原は、大阪大歯学部付属病院で嚥下のリハビリを専門にしている。7年ほど前、知り合いの歯科医に「在宅診療を手伝って」と頼まれ、訪問診療を始めて驚いた。食べる力はあるのに、胃ろうで栄養をとっている人がたくさんいたからだ。患者の家族や訪問看護師は、誤嚥が怖くて胃ろうに頼っていた。当初は野原も、口から食べさせた担当患者がむせたり、肺炎を起こしたりするたびに落ち込んだ。だが、次第に「何でも食べられるようにしなければ」という思い込みから解き放たれていった。
 嚥下の訓練や誤嚥のリスク対応などを身につけた「嚥下トレーナー」を育成しようと、野原は小谷らと共にNPO法人を作った。歯科医、歯科衛生士らを対象にした研修会は、事業開始から1時間足らずで満員になる。これまでに数百人が修了した。野原は、認知症患者の家族が語った言葉が忘れられない。「話しかけても返事はないけど、私の料理を食べてくれる」。食べることは、家族との大切なコミュニケーションの手段でもあるのだ。
                朝日新聞 2011.11.30

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