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歯科医師会への請求を地裁棄却 アスピリン喘息死、医療過誤認めず 群馬・桐生歯科医療過誤損賠訴訟

桐生市歯科医師会の休日診療所で歯の治療を受けた後、10年1月に死亡した男性(当時53歳)の遺族が同医師会を相手取り計約6870万円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(西口元裁判長)は31日、原告の訴えを棄却した。

 判決によると、男性は非ステロイド性抗炎症薬の投与によって誘発される気管支喘息(ぜんそく)「アスピリン喘息」を患っている可能性があった。患者への解熱鎮痛薬ロキソニンの投与は禁じられているが、同診療所で治療後、処方されたロキソニンなどを服用。間もなく心肺停止状態になり21日後に死亡した。

 判決で西口裁判長は、(1)男性はそれまでアスピリン喘息と診断されたことがない(2)以前、非ステロイド性抗炎症薬を処方され服用したと思われるが異常はなかった――ことから、ロキソニン投与によって重い発作を引き起こすことは予見できなかったとして、担当医師の過失を認めず、男性の死亡との因果関係も認められないと判断した。
毎日新聞社 9月1日(土)

広がる歯科保健条例 27道県と一部市町も 「医療新世紀」

歯や口の健康づくりを推進することにより、地域住民の全身の健康増進を図ろうという「歯科保健推進条例」を定める自治体が増えてきた。2008年の新潟県を皮切りに、これまでに27道県で制定され、一部市町にも動きが広がっている。

 背景には、この10年ほどの間に、虫歯や歯周病などの歯科疾患と、全身の病気との関連を示す研究結果が相次いで報告されたことがある。

 80歳になっても自分の歯が20本以上残っていることを目指す「8020運動」を進める8020推進財団のまとめによると、8月7日現在、47都道府県のうち既に27道県が条例を施行。残る20都府県でも「検討していない」という東京都、「関係議員に働き掛けているが、制定に向けた動きはない」という石川県、「県保健医療計画に位置付けられているとの見解」の福井県を除いては、いずれも制定への具体的な動きがあるという。

 さらに市町村レベルでも、静岡県裾野市など全国の18市町が施行済み。昨年8月には国や自治体の責務を定めた「歯科口腔(こうくう)保健法」も制定され、条例への取り組みが加速する可能性もある。

 これまでに制定された条例は、目的や基本理念などの骨格はほぼ共通するものの、地域の実情によって違いもみられる。例えば、離島を抱える長崎県は歯科医療の地域間格差是正を重視、茨城県は8020運動に加え、64歳で24本以上という目標も掲げている。

 歯科疾患をめぐっては、歯周病菌が肺炎や動脈硬化、肥満、糖尿病、早産や低体重児出産などに関係すると指摘されている。また、歯の喪失によるそしゃく能力低下は、栄養状態を悪化させるほか、脳機能の低下などにもつながるとされる。

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