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歯科需要は高齢型に 医科歯科連携の準備必要

10月6日(土)午後3時より道歯会館2階大講堂において、道歯会主催の
社保講習会が開催され、第一部は「平成24年度改定の詳細と留意点」
「Pの流れをマスターする」第二部は「レセ電と日付情報」「指導経過
報告」と題し、山田常務理事と龍方常務理事が講師として説明した。
厚労省の資料では、歯科診療所の患者数の65歳以上の割合が大きく上昇
し、歯科通院患者の高齢化が顕著であること、また12歳児の一人平均む
し歯数が大きく減少してきていることから、歯科需要が高齢化型に変化
していることが明らかである。高齢者は様々な疾病を抱えているため、
医科歯科連携の準備、施設基準の取得が必要となってくる。具体的には、
歯科治療総合医療管理料(医管)における施設基準の要点、特疾管、外来
環、再外来環算定における注意点など。その他疑義解釈、返戻、査定事例
について細かな説明があった。

ステロイド剤に関する留意事項について

一般的にステロイド剤という場合は、副腎皮質の束状帯により分泌されるコルチゾンやヒドロコルチゾンなどの糖質コルチコイドあるいはその合成アナログを含有する製剤を指す。ステロイド系抗炎症薬として用いられ、代表的な薬物にプレドニゾロン(プレドニン)、デキサメタゾン(デカドロン)、ヒドロコルチゾン(コートリル)がある。これらの適応疾患は慢性副腎皮質機能不全、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、ネフローゼ、紫斑病、潰瘍性大腸炎、慢性肝炎、サルコイドーシス、蕁麻疹などであるのでこのような疾患の場合はステロイド剤を使っていることを頭に入れておく必要がある。本剤の副作用として感染症の増悪、副腎皮質機能不全、糖尿病、月経異常、消化性潰瘍、膵炎、骨粗鬆症(ビスホスホネート製剤常用の可能性あり)、骨頭無菌性壊死、満月様顔貌、ミオパチー、野牛肩、低カリウム性アルカローシス、緑内障、白内障などがみられる。自覚的症状としては下痢、悪心、嘔吐、胃痛、胸やけ、食欲亢進などの消化器症状、精神変調、うつ状態、多幸症、不眠などの精神症状、そのほか?瘡、多毛、色素沈着、脱毛顔面紅潮、紫斑、皮膚線条、皮下溢血、皮膚菲薄化などの皮膚症状がみられる。
 歯科医師が神経麻痺や天疱瘡などの粘膜疾患の治療のためにステロイド剤を投与する際にも上記の副作用に注意が必要である。特に既存の感染症の増悪には注意を要する。長期間投与していて中止するときは漸減する。急に中止すると離脱症状があらわれるので注意を要する。外用剤のデキサメタゾン(アフタゾロン口腔用軟膏)やトリアムシノロンアセトニド(ケナログ口腔用軟膏)の場合、広範囲い大量に用いなければ、上記お留意事項に対する懸念は少ない。

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