子感染正しい知識を
母子感染でこどもの脳や目、耳などに重い症状が出る先天性トキソプラズマ感染症と先天性サイトメガロウイルス感染症。かかったことがあるかどうかが分かる抗体検査はあるが、妊婦健診で必須とされておらず、感染症自体の認知度も低い。これらの感染症によって障害を抱えることになった子どもの母親たちが今年9月に患者会「トーチの会」を設立、交流や啓発などの活動に取り組んでいる。
北海道新聞 2012.12.2
子感染正しい知識を
母子感染でこどもの脳や目、耳などに重い症状が出る先天性トキソプラズマ感染症と先天性サイトメガロウイルス感染症。かかったことがあるかどうかが分かる抗体検査はあるが、妊婦健診で必須とされておらず、感染症自体の認知度も低い。これらの感染症によって障害を抱えることになった子どもの母親たちが今年9月に患者会「トーチの会」を設立、交流や啓発などの活動に取り組んでいる。
北海道新聞 2012.12.2
A日本ではおたふくかぜと水痘はありふれた病気です。しかし米国では、両者ともすでに過去の病気です。以前、病院見学に来た米国の若い医師が水痘患者をとても珍しがっていたのを見て、逆に驚いたことがあります。米国ではおたふくかぜ・水痘ワクチンの2回接種が定着したため激減したのです。一方、日本ではおたふくかぜ・水痘ワクチンの接種率がとても低いので、流行が抑えられていません。おたふくかぜや水痘は軽い病気と思われがちですが、そんなことはありません。例えば、おたふくかぜは合併症により千人に1人の割合で難聴が発生します。日本では毎年約700人もの子どもがおたふくかぜで難聴になっているのです。水痘も年間約4千人が重症化して入院し、約20人が死亡しているとされています。自然にかかって免疫をつけた方がよいというのは誤り。おたふくかぜも水痘もワクチンで予防すべき病気なのです。おたふくかぜと水痘のワクチンの効果は、1回では十分でないことがわかっています。そこで日本小児科学会は、1歳になったらすぐに両方のワクチンを接種し、2回目を水痘は1歳半から2歳までに、おたふくかぜは1回目の3年後に接種することを勧めています。
北海道新聞 2012.12.2