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歯の幹細胞で機能回復 脊髄損傷患者に移植 岐阜大など臨床研究へ

 岐阜大大学院医学系研究科と岐阜薬科大の共同研究グループが、歯から取り出した歯髄幹細胞などを脊髄損傷の患者に移植し、運動機能を回復させる治療法の臨床研究の計画を進めていることが9日、分かった。岐阜大倫理審査委員会に今夏にも申請し、倫理委と厚生労働省が承認すれば、2016年の研究開始を目指す。

 移植するのは歯髄幹細胞を含む歯髄細胞。治療効果が動物実験で確認されていたが、厚労省によると、臨床研究は初めて。拒絶反応を避けるため、特殊な白血球型を持った人の歯髄細胞を使う。

 グループによると、研究では、親知らずなどの永久歯や乳歯の内部にある歯髄を取り出す。細かく切ってかき混ぜた上で2、3週間培養し、交通事故やスポーツ事故で脊髄を損傷した直後の患者の患部に移植したり、腰椎に注射したりする。神経細胞の機能回復を促す働きが期待できる。

 グループは11~12年、ラット15匹の脊髄を切断し、傷口にヒトの歯髄細胞を注入する実験を実施。7週間後に半数が後ろ足で体を支えて歩けるようになるなど、足の動きが改善されたという。

 グループの手塚建一(てづか・けんいち)・岐阜大准教授(48)=再生医科学=は「まずは副作用などの問題をチェックしたい」と話している。

北海道立病院医療事故 永続的障害、軽度でも個別に公表 来年度、基準改正

道は、道立病院での医療事故の公表基準を改正することを決めた。来年度から医療過誤で永続的な障害が残った場合は、軽度でも発生の都度個別公表する。8日の道議会保健福祉委員会で明らかにした。

 道の道立病院室によると、05年度策定の道独自の基準を、全国の事例を参考に見直した。従来は永続的な後遺症や障害は軽度と重度に分け、過誤があって重度の場合は詳細を、軽度は半期に一度概要だけを公表していたが、改正後は、過誤があれば、原則として病院名なども含めて個別に発表する。

 また、一過性の軽度の障害のレベルも細分化し、皮膚を縫うなどの治療が必要になった場合は概要を公表するという。毎日新聞社 1月9日(水) 配信

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