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せきと体力 エネルギー消費侮れず

そもそもせきは、のどの奥から気管支までの、下気道と呼ばれる部分の粘膜に異物、病原体、たんなどが付着したときに、これらを排除するために起こる反射です。下気道が異物などにより狭くなって、空気の通りが悪くなることを防ぐと共に、下気道の奥にある肺の内部に異物や病原体が侵入するのを防ぐために起こります。原理は、下気道にある異物を、強い気流で吹き飛ばすという、極めて単純なものです。その気流の強さですが、下気道内で時速200キロから300キロ、秒速に直すと55㍍から83㍍で、一番強力な台風と同程度になります。せきの気流が口の外に出たときでも、秒速45㍍あり、普通の台風の中心付近の強さを保っています。
 かぜをひいていると、この強力な気流でウイルスを大量に吹き飛ばすことになります。ある推計によると、1回のせきで100万個のウイルスを吹き飛ばしているそうで、どんなに軽いかぜでも、人混みでせきをするのは、相当な迷惑を周りに掛けていることになるのです。
                  北海道新聞 2013.1.30

授乳中にインフルエンザ、薬の服用は?

Q 授乳中なのですが、インフルエンザにかかり、抗ウイルス薬と解熱剤を処方されました。服用しても大丈夫ですか?

A インフルエンザの本格的な流行期に入り、授乳中のお母さんたちから、このような質問が頻繁に寄せられます。薬は授乳中のお母さんたちにとって非常に悩ましい問題の一つです。相談を受けていると、母乳と薬について誤解がとても多いことにいつも驚きます。例えば「授乳中は薬を一切飲んではいけない」と思っている人がとても多いのです。ひどい頭痛なのに痛み止めはダメだと思い、ひたすら我慢した話などはざらにあります。お母さんたちの忍耐強さには本当に頭が下がります。授乳中に飲んではいけない薬は、実はそれほど多くはありません。ほとんどの薬は、お母さんの飲んだ量のほんのわずかしか母乳に出ません。薬は母乳に出ることが問題なのではなく、母乳から赤ちゃんの体にどれだけ移行した作用が出るのかということが問題なのです。ほとんどの薬は、お母さんが飲んだ量の10%以下しか母乳から移行せず、その程度であれば赤ちゃんには普通心配ありません。
  ではインフルエンザの薬はどうでしょうか。タミフルやリレンザ、イナビルという抗ウイルス薬は、いずれも母乳に移行する量はわずかなので、授乳しても支障はありません。
                        北海道新聞 2013.2.3

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