小学校給食での食物アレルギー事故防止に向け、京都市教育委員会はこのほど、市立小学校でアレルギーのある児童への対応に関して実態調査に乗り出した。東京都調布市の小学校で昨年12月、乳製品アレルギーのあった女児が給食で死亡した事故を受けた取り組み。京都市では対応が各校に任されており、市教委として対策を考える。
市立小は、食物アレルギーのある児童の食事について、保護者からの相談のほか、就学前の健康診断を活用し、保護者と話し合って独自に決めている。市教委によると、多くの学校は試行錯誤の中で行っているのが現状という。
市教委は9月に栄養指導や保健指導の教諭らを含めた約30人で構成する「食物アレルギー対策検討会議」を設置。全168校にアンケートし、食物アレルギーやぜんそく、アトピーなどのある児童の人数や症状を調べる。さらに各校の防止策や緊急時の対応を聞き取り、先進的な取り組みの共有やモデルとしての推奨をしていく。
文部科学省は2008年にガイドラインを全国の学校に配布。ただ、分かりにくいとの声もあり、調布市での事故を受け、改訂版が検討されている。
市教委体育健康教育室は「児童の命に関わることなので、文科省の改訂版を待つのではなく、できるだけ早く対応を検討したい。ただマニュアル化はかえって事故を招きかねず、考えていない」としている。