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歯磨き 磨き方 面倒な時は、まずフロス

歯磨きは「磨きにくいところから始めましょう」と馬見塚(まみづか)デンタルクリニックの歯科衛生士、大山有希子さん(31)は勧める。プロが歯のクリーニングを施す際も、やりにくい箇所から始めるそうだ。

 子どもはかみ合わせ面が、大人は歯と歯ぐきのラインが肝心。下の歯の内側で特に利き手側が磨けていない人が多い。あちこちに飛ばず、端から一筆書きの要領で残さず磨こう。「磨き始めと終わりに同じ歯を磨いている人がほとんど。それだけ磨きやすいところばかり磨いてしまうということです」と大山さんは注意する。

 外側は、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを直角に当てて、力を入れずに横向きに小さく動かす。力の入れ過ぎを防ぐには、歯ブラシを「グー」で握らずペンのように持つ。歯垢(しこう)を取るのに力は要らないし、力を入れるとブラシはかえって動きにくい。テーブルなどにブラシを当てて一度試してみると、よく動く力加減が分かる。

 歯ぐきの側に歯ブラシを傾けて磨いていると歯ぐきが下がってしまうので、基本は歯に直角でよい。中高年で「歯ぐき磨き」をする人も少なくないが、同院の馬見塚賢一郎院長(52)は「歯周病予防に重要なのは歯垢を取ること。歯ぐき磨きに害はないし、多少の引き締め効果はあるだろうが、本質ではない。サプリメントみたいなものです」と必要性を否定する。

 歯と歯の間の歯垢は歯ブラシでは落とせない。ここはフロスの出番だ。

 短いと使っている間に指から外れるので、長めに用意するのがコツ。片端を持ち、ひじの辺りで切ってみよう。中指に2、3周巻きつけ、親指と人さし指で持つ。のこぎりのように前後に動かしながら歯間に入れ、前後の歯に沿わせて汚れを落とす。奥歯は、両手の人さし指だけを差し入れると掃除しやすい。

 「やりにくい部分から」と考えると、フロスこそ大切。今日は歯磨きが面倒だなという日こそ歯ブラシより先に使おう。

口腔ケアやリハビリ 看護師・医師ら考え方、手法学ぶ 講演会

救急医療や手術、専門性の高い疾患を診療している急性期病院でも、患者が自分の口から栄養を取るための口腔(こうくう)ケアやリハビリが重要とする講演会が、富山市西長江の県立中央病院(野田八嗣院長)で開かれ、看護師や医師ら約100人が考え方や手法を学んだ。医学界では近年、治療の初期段階で患者のケアやリハビリの重要性が認識されているという。

 日本大歯学部の植田耕一郎教授が「急性期病院の摂食・嚥下(えんげ)リハビリテーション」と題して講演。「脳卒中などを発症して口がまひすると、虫歯が加速する。誤嚥性(ごえんせい)肺炎の予防などのためにも、手足と同じように口もリハビリが必要」として、口から栄養をとる際の患者の姿勢や、飲み込みやすく安全性が高いゼラチンゼリーを使った訓練などについて解説した。

 講演会を主催した同院栄養サポートチームの一人、看護部の松村江美子さん(脳卒中リハビリテーション看護認定看護師)は「リハビリをするための体作りには栄養が必要で、そのための口作り。口内に残った菌の死骸を除去するスポンジブラシや、口中の乾燥を防ぐ保湿剤などをケアに使っていますが、市販品もあるので患者さんがいる家庭でも活用してほしい」と話している。

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