大阪市中央区の「春次(はるつぐ)歯科」が診療報酬約700万円を不正請求した疑いがあるとして、厚生労働省近畿厚生局と大阪府が監査に乗り出していたことが28日、府などへの取材で分かった。
歯科は10月8日に廃業しており、厚生局は近く、保険医療機関の指定を「取り消し相当」とするかどうか判断する。
歯科は大阪府内を中心に診療所を展開する医療グループの傘下で、2010年の開設以降、外来患者の診察よりも高い診療報酬が支払われる訪問診療に取り組んでいた。
健康保険法は、訪問診療のうち医療機関と訪問先の距離が16キロ以内で、診察時間が20分以上の場合に限り、保険診療の対象になると定めているが、関係者によると、春次歯科はこの規定に反して診療報酬を請求した疑いがある。
府によると、歯科側は監査に対し「不正の認識はない」と説明している。