歯周病が非常に全身の疾患と関わりが強いと言われる理由は分かりますか。まずその始まりは、やはり歯周ポケットになります。歯と歯肉の病的な溝の部分です。その歯周ポケットの中に多くの細菌が潜んでいるわけです。親不知を除いて、28本歯があるわけですが、それぞれの歯の周囲に7mmの歯周ポケットがあると仮定します。そうしますと、歯周ポケットの歯肉上皮側の表面積が計算できます。それを計算すると、誤差を考えて50から70cm²になると考えられています。
ポケット上皮の表面は非常に小さな潰瘍がたくさんあります。微小潰瘍はご存じのように、上皮が薄くなっています。外のものが組織内に進入しやすいのです。すなわち歯周ポケット内のプラーク細菌や代謝産物が、どんどん体中に入り込んできます。ちょうど掌ぐらいの入口が口腔内に存在していると考えることができます。