患者が歯科医院を選ぶ際に出身大学や症例数、そして学会の「認定医」なのかどうかを基準にすることがあるでしょう。歯科医院のホームページの多くには、認定医についての情報も掲載されています。
しかし、歯科の認定医について、審査基準があいまいだと感じた経験があります。知人に頼まれ、ある学会の設立の手伝いをしました。学会の紹介文や会長のあいさつ文の校正をした程度でした。しかし、その学会設立後、私はその学会の認定医になっていたのです。認定医になる試験も受けておらず、責任の重さを感じて辞退しました。
歯科医師の学会認定医は、厳しい基準を設けて高い技術を求める学会もあれば、わずか数時間の受講で認定証を発行したり、活動実績が乏しかったりする学会もあるようです。
厳しい歯科医院経営を乗り切るには、学会の「お墨付き」である認定医という看板を掲げるのは有効でしょう。しかし、患者さんから信頼できる歯科医師として「認定」される方が大事です。歯科医の学会認定医には、レベルの高い統一基準が必要だと思います。