難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者や家族らでつくる日本ALS協会は2日、氷水をかぶって患者を支援する「アイス・バケツ・チャレンジ」の広がりで、8月末までの2週間に国内外の約3千人から計2747万円の寄付があったと明らかにした。例年の寄付は年間600万円程度という。治療法の研究や患者支援に活用する。
自身も患者で、協会副会長の岡部宏生(おかべ・ひろき)さん(56)は記者会見で「無関心と知らないことで、奇異の目で見られるのは患者と家族にとって一番つらい。広く知られることをうれしく感じている」とのメッセージを発表。金沢公明(かなざわ・きみあき)事務局長は「一過性で終わらず、他の難病患者の支援にもつながることを願う」と述べた。
協会によると、寄付とともに患者への共感や激励の声が多数寄せられた。一方、アイス・バケツ・チャレンジに関し「売名行為では」といった批判や、小学生同士で「アイスクリームをおごるか、氷水をかぶるか」というやりとりがあり「子どものいじめに使われている」との指摘もあった。
アイス・バケツ・チャレンジは、友人に指名された人が氷水をかぶるか、支援団体に寄付するかを選択する活動。著名人の参加で注目され、氷水をかぶった上で寄付をする人も増えている。
日本ALS協会は「自分の意思で参加してほしい。体力に自信がない人は無理をしないで」と呼びかけている。