10月6日(月)厚生労働省は社会保障審議会 医療保険部会で、後期高齢
者医療制度の財源をめぐり、加入者の収入が高い大企業などの健康保
険組合に拠出金負担を多くする「総報酬割」の全面導入を提案した。
年内に議論をまとめ、来年の通常国会に関連法案の提出を目指す。後
期高齢者の医療費約15兆6,000億円(2014年度)のうち約4割は、大企業
の健保組合、中小企業の従業員らが加入する「協会けんぽ」など現役
世代の保険料から拠出されている。健保ごとの拠出額は加入者数と加
入者の月収に応じて決めているが、厚労省案では月収のみを基準にす
る方式に改める。新制度により協会けんぽは最大約2,400億円の負担
減となり、健保組合は約1,500億円、公務員らの共済組合は約1,000億
円の負担増となる試算、これにより協会けんぽへの国庫補助を減らす
ことができる。同省はその分を市町村が運営する国民健康保険の赤字
対策に回し、国保の運営主体を市町村から都道府県に移し、国保財政
を安定させたいと考えている。この動きに対し健保組合側は「健保に
加入していない後期高齢者を現役世代のお金で支える仕組み自体がお
かしいのに、負担増は全く納得できない」(健康保険組合連合会白川
修二副会長)と反発している。今後の議論が注目される。