ロシア極東と歯科医療分野などでの協力を目指す北海道医療大(当別町)が3日、沿海地方の中心都市ウラジオストクの太平洋国立医科大で口腔(こうくう)内科のセミナーを開き、歯科医を目指す学生らが聞き入った。
セミナーは極東ハバロフスク、ユジノサハリンスクでも開催。極東地域では日ロの医学交流の動きが活発化しているが、歯科での例はまだ少なく、北海道が経済協力の一環として企画した。今後、大学院生の受け入れなども検討するという。
セミナーでは医療大の安彦善裕(あびこ・よしひろ)教授が、舌の痛みや義歯が合わないとの訴えがあっても、口腔の疾患がない場合が多いと説明。歯科医らが精神科医と連携し、少量の抗うつ剤や心理療法で治療する手法を紹介した。
安彦教授は、ロシアは日本と並び自殺者が多いと指摘、「歯科医が外来でうつ病を見つけることもできる」と指摘した。
参加した歯科専攻3年生のエカテリーナ・ザハロワさん(20)は「現代的な問題についての授業は良かった。ぜひ日本を訪れて交流を深めたい」と話した。共同通信社 2014年12月4日(木) 配信