高齢者は、食べ物による窒息事故が起きやすいものです。気道は3~6分間閉塞すると死亡することもありますので、予防や応急手当の方法を知っておくと安心です。
のどに物が詰まるというトラブルには、大きく分けて二つの場合があります。食道を塞いでしまう場合と、気管を塞いでしまう場合です。いずれも呼吸に影響が出るほどの状態であればすぐに異物を取り除く必要があります。異物を取り除くにはいくつかの方法がありますが、どの方法を試みるかは状況によって異なります。まずは落ち着いて、状況を見極めた上での対処が必要です。
高齢者が詰まらせやすい食べ物
窒息させないためには
•もち、ご飯、パンなど粘りのある食べ物
•イカやタコ、きのこ類など加熱してもやわらかくなりにくいもの
•海苔やレタスなど厚みのないもの
•パン、ふかし芋などパサパサしたもの
•青菜類などの繊維の強いもの
口の中の乾燥、歯の喪失に注意しましょう。 •水分をとりながら食べる
•歯周病予防や義歯の調整などに心がける
※参考:内閣府食品安全委員会/食べ物による窒息事故を防ぐために
症状の観察
最初に、正常に呼吸できているかを確認してください。食べ物が食道に詰まってしまった場合などは、水で飲み込めるかどうかを試してみましょう。詰まった直後から言葉が出なくなったり、激しく咳き込んだりするような場合には、異物が気道に入ってしまっている可能性があります。異物が上手く取れないと、もがきながら顔が次第に紫色になり、やがて意識がなくなることに繋がります。そのような状態に陥る前に、無理をせず救急車を呼びましょう。
応急処置-成人の場合-
まずは「のどが詰まったの?」などと尋ねてみましょう。正常に声を出すことができず、うなずいたりするのが精一杯な状態であれば「窒息」と判断し、速やかに救急車を呼びましょう。咳をすることが可能であれば、咳を出来るだけ続けさせます。※咳は異物の除去に最も効果的です。