医師:1072人不足 3年前から改善せず--道昨年調査 /北海道
道は6日、昨年6月の時点で道内の病院で少なくとも医師が1072人不足しているとの調査結果を公表した。同様の調査は2011年に続き2回目で、前回の調査より医師の数は1255人増えたが、不足数は横ばいで医師不足は改善していなかった。
道保健福祉部地域医療課が昨年6月時点の状況を調査し、497の病院から回答を得た。
「医師が不足している」と回答したのは305病院で、全体の61・4%。11年に比べて37病院、5・9ポイント増加した。実際に足りない医師の人数は1072人で、11年に比べ5人増と、ほぼ横ばいだった。地域別では宗谷や南渡島、根室など、都市部から遠い地域ほど不足が顕著だった。
一方で、現在いる医師の数は1万1346人。11年より1255人増えても不足医師数が横ばいだった原因について、同課は「高齢化や医療の高度化で医師の仕事量が増え、人手が足りなくなっているのでは」と分析している。
このまま医師不足が解消されない場合の影響については「医師の勤務環境の悪化」が最多で、「外来診療の縮小」が続いた。
道は08年から、札幌医大と旭川医大の学生計32人に毎年、卒業後9年間は道内の公的医療機関で働くことを条件に学費や生活費計1200万円を支給している。卒業生の第1号が16年度から働き始めるため、同課は医師不足解消の切り札と期待を寄せる。