記事一覧

歯磨きしているのに虫歯になる…という人のための、正しいデンタルケア

ちゃんと歯磨きしているのになぜか虫歯になってしまう!――それ、ひょっとすると歯磨きのやり方が間違っているのかもしれません。

そこで今回は、歯科医師で「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」代表の西真紀子先生に虫歯にならないための正しい歯磨きのやり方などを聞きました。

目次
私たちの歯は毎日「目に見えない虫歯」になっている!?
歯ブラシ・歯磨き粉の選び方
歯磨きのベストタイミング
虫歯にならないための歯磨きポイント
歯磨き以外にも!すべき虫歯予防

私たちの歯は毎日「目に見えない虫歯」になっている!?

私たちの歯は常に歯垢(プラークまたはバイオフィルム)に覆われています。歯垢の中には虫歯菌が1mgあたり約1億も潜んでいるといわれています。

私たちが食事をするたび、虫歯菌はその中にある糖類やでんぷんを摂取して酸を出し、歯の表面をうっすら溶かし始めます。このように、虫歯菌により歯の表面が溶けだしている状態のことを「脱灰」といいます。この脱灰状態を少しの間でも放置していると「初期虫歯」になってしまいます。

脱灰は、食後に分泌される唾液によって修復され元の健康な歯に戻ります(再石灰化)。つまり、私たちの歯は食事のたびに目に見えない虫歯状態になり、その後、唾液で修復されるという流れを繰り返しているのです。

ただし、脱灰は唾液で修復されますが虫歯菌が減少するわけではありません。口の中に糖類やでんぷんの食べかすが残っていると虫歯菌は酸を出し続け、脱灰がどんどん進行して唾液のみでは修復できなくなります。すると、歯が溶けた部分が黒ずみ、穴があくなどの症状があらわれます。この状態になると自然治癒は非常に難しいので、専門医による治療が必要です。

虫歯や歯周病を防ぐためにも、毎日の歯磨きは欠かせません。さっそく、虫歯を防ぐための正しいお手入れ方法をチェックしましょう。

eye 食べる幸せ、感謝の笑顔 リクエスト食で終末期ケア

「あした、何が食べたいですか」。終末期ケアに取り組む淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院(大阪市東淀川区)では金曜日の午後、管理栄養士の大谷幸子さん(65)が病室を回って笑顔で患者にこう問いかける。土曜日の夕食は「リクエスト食」で、患者一人一人が望むメニューを院内で調理して出している。

 黒川和子さん(92)は先月、転院してきて初のリクエスト食を口にした。前日、看護師に刺し身が食べられると聞くと「本当? うれしい」。昨年12月に胃がんが見つかった。それまでは、孫娘やひ孫らと回転ずしに行くのが楽しみだった。

 当日は調理師がマグロとタイの刺し身や茶わん蒸しなどを病室に届けた。まずタイを1切れ。「歯ごたえがあって、おいしい」。大好物のマグロに「大きいねえ」と笑みがこぼれた。30分ほどかけてすべてをたいらげると、目を閉じて手を合わせた。「生きて、おいしいものが食べられたことに感謝です」

 内田温久(はるひさ)さんは一昨年秋、胆管がんで余命1年と言われ、今年2月に転院してきた。その月、院内のパーティールームに経営する会社の仲間や同級生ら20人が集まった。すき焼きと寄せ鍋がテーブルに並び、内田さんも肉2切れと白菜を口にした。

 その日の夕食はリクエスト食で、海鮮ちらしずしを食べた。長女に少しずつ口に運んでもらい、「ほんまにおいしい。病院ですしとは幸せ者やなあ」と穏やかな笑顔になった。その8日後、内田さんは家族に見守られて静かに息を引き取った。63歳だった。

 家族との思い出が詰まっていたり、懐かしい母親の味だったり。池永昌之副院長は「食べることと生きることは密接に結びついている。リクエスト食に人生が反映されることもあり、心のケアにもなる」と語る。大谷さんは2009年に夫を肝臓がんで亡くした。入院した時は手遅れで、好きなものが食べられなかった。大谷さんは「たとえ少しでも、食べられるうちに望むものを食べてほしい。医師や調理師と相談しリクエストに可能な限り応えたい」と話している。

過去ログ