記事一覧

高齢者でPTP誤飲相次ぐ - 1錠ずつ切り離しに注意喚起 消費者庁

消費者庁は16日、高齢者が内服薬などのPTP包装シートを誤飲した事故が多く見られるとして、PTP包装シートを1錠ずつ切り離さず、薬とそれ以外のものを分けて保管するよう注意喚起した。

 7月末までに消費者庁に寄せられた高齢者の誤飲事故は165件。年代別では75~79歳、80~84歳の事故が多く、製品別では内服薬などの包装を誤飲した事例が69件(41.8%)と最も多く、そのうち53件は、PTP包装シートを誤飲したことが明らかな事例だった。次いで洗剤・洗浄剤などが26件、部分入れ歯などが17件と、薬など高齢者の身近にあるものを誤飲する事故が多いことがうかがえた。

 具体的には、夕食後に内服薬をPTP包装シートのまま誤飲し、飲み込むときに喉の違和感があり来院。食道にPTP包装シートと思われる異物があり、内視鏡で除去、経過観察のために入院した。

 また、別の事例では、朝食後に家族が切り取って渡した内服薬を丸ごと飲み込み、喉につかえた感じがあり、近医受診後救急車で来院し、胃カメラで食道からPTP包装シートを回収した事例があった。

 同庁は、PTP包装シートを誤飲した場合、喉や食道、腸などを傷つけたり、重大な傷害を招く恐れがあるとし、「痛みなどの症状が表れるまで誤飲したことに気づきにくく、体調不良などで検査してもPTP包装シートの素材はX線を透過してしまうため、発見が遅れ重症化する恐れもある」と指摘した。

 その上で、薬のPTP包装シートは1錠ずつに切り離さないこと、食品や薬とそれ以外のものは分けて保管すること、認知症の人の手が届くところに不要なものや危険なものを置かないことなどを注意喚起した。

鏡見ながら食べると美味 一人でも

 一人の食事でも、鏡に映る自分の姿を見ながら食べると、鏡なしの場合より食べ物をおいしく感じるとの実験結果を、名古屋大の中田龍三郎(なかた・りゅうざぶろう)研究員(心理学)らが20日までにまとめた。味覚や気分の変化とは別の要因があるとみられ、中田さんは「他者と食べる"共食"環境を疑似的につくりだし、おいしさの感覚が刺激されているのではないか」としている。

 日本では、一人で食事する「孤食」が高齢者を中心に多くなっており、研究を応用することで食事の質を高める効果も期待できそうだ。

 実験では大学生と高齢者16人ずつを対象に、塩味とキャラメル味のポップコーンを「鏡あり」「鏡なし」の状況でそれぞれ試食。1回の試食は90秒で、順番をランダムに変えながら数分置きに実施した。

 試食後に「おいしさ」「また食べたいかどうか」などについて、6段階で評価するアンケートを実施。統計処理したところ、「おいしい」「また食べたい」の評価が「鏡あり」の場合で明らかに高く、食べた量も多かったことが分かった。大学生でも高齢者でも同じ傾向が確かめられた。

 一方、しょっぱさや甘さの感じ方に違いはなく、参加者の気分を評価するテストも実施したが、鏡の有無で気分に違いはなかったという。

 川合伸幸(かわい・のぶゆき)同大准教授との共同研究。千葉大で開催された日本認知科学会で19日に発表した。

子ども医療費、補助金減額、見直しへ 厚労省検討 独自助成の自治体

厚生労働省は、子どもの医療費を無料化するなど独自の助成をしている地方自治体に対し、国民健康保険(国保)の補助金を減額する現行の仕組みを見直す検討を始めた。減額措置には、こうした自治体に応分の医療費負担を求める狙いがあるが、少子化対策の観点から、政府の対応に批判も出ていた。医療関係者らによる有識者会議で1年かけて検討し、安易な受診の防止策を含めて来夏までに結論をまとめる。【細川貴代】

 子どもの医療費は、小学校入学前は2割、入学後は3割を自己負担する。しかし、実際には子育て支援などのため全自治体が独自に医療費を助成している。厚労省の調べでは、2014年4月時点で全国1742市区町村のうち、子どもの医療費の自己負担が無料の自治体は56・6%。残る43・4%も一部を軽減している。

 8割弱の自治体は所得制限を設けていない。対象年齢は「15歳まで」が最も多く、通院医療費を助成する自治体では53・4%を占める。「就学前まで」は19・3%、「18歳まで」は11・5%。入院助成では「15歳まで」が66・1%に上る。

 独自に医療費を助成する自治体に国が補助金を減額するのは、患者の自己負担が減れば病院に行く人が増え、医療費全体も増えるという考え方に基づいている。13年度に減額された補助金は総額114・9億円。都道府県別で最多は東京都の17・4億円で、愛知県9・2億円、千葉県6億円と続く。

 これに対し、全国知事会など地方側は減額措置の見直しを要望してきた。厚労省は、軽症でも休日や夜間に安易に救急外来に行く「コンビニ受診」の防止策などをあわせて検討し、医療費増に一定の歯止めをかける方針だ。

過去ログ