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医療事故、メディアへの公表はマイナス

医療事故が起きた場合、ホームページに掲載したり、記者会見すべきか……。テレビや新聞で、病院幹部が頭を下げて、会見する姿を見るたびに、多くの医慮者が「明日は我が身」として、その対応に悩む問題ではないでしょうか。

 m3.com意識調査で、医療事故をメディアに公表すべきか否かを尋ねたところ、「症例による」と回答した医師会員が約4割を占めたものの、「公表」よりは、「公表の必要はない」の方が多いという結果でした。また「医療事故がメディアに取り上げられる功罪」については、医師会員では「罪」(65%)が、「功」(6%)の10倍以上に上りました。医療機関に過失がない場合でも、医療事故の公表はネガティブなイメージにつながり、時に“バッシング報道”に発展する現状を、多くの医師が憂慮していると言えます。

 回答の詳細を見ていくと、「勤務先で、医療事故が発生した場合のメディア対応のルール」は、決まっているが病院勤務の医師会員では38%、診療所勤務の医師会員では少なく16%(Q1、詳細な結果はこちら)。

 「医療事故の発生直後(発生から数日以内)、メディアに公表すべきか」との質問には、最も多かったのは「症例よる」で医師会員の41%(Q2)。「原則公表する必要はない」(26%)が続き、記者会見やホームページ等で公表すべきとの意見は、その半数弱の16%にとどまりました。

 この10月から、医療事故調査制度が始まります。事故が発生した場合、各医療機関は院内調査を実施し、事故調査報告書を作成することが求められます。報告書は、当事者の責任追及に用いられないよう、匿名化し、注意して取り扱う必要がある上、患者側への交付や世間の公表の義務はありません。「事故調査報告書、メディアの公表すべき?」との質問には、やはり「症例による」が最多で医師会員の38%(Q3)。「原則公表する必要はない」が31%だった一方、記者会見やホームページなど何らかの形で公開すべきとの回答は、計20%でした。

 では、仮に医療事故の記者会見をする場合、その意義を医療者はどう考えているのでしょうか。最多は「対外的に説明責任を果たす」(Q4、医師会員36%、医師以外の会員48%)。次いで多かったのが、「他院での同様の事故の再発防止への警鐘」(同20%、34%)でした。もっとも、説明責任を果たし、信頼性や透明性を高めるために会見等が必要と考えていても、前述のように、実際には、メディアで医療事故が取り上げられると、「功」よりも「罪」の方が大きいと多くの医療者は見ており、メディア対応の難しさが見て取れます。

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