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道北口腔保健センター 第12回摂食嚥下症例検討会

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当センターにて症例発表します。是非ご参加ください。

総合診療医 ドクターG「突然のどが詰まった」【

糖尿病患者 突然 のどが詰まった

 先ほどのVTRの続きを寸劇で伝えた。患者は、固定用金具が入っていて、MRIが取れない状態だった。患者の主訴は「突然喉が詰まった」。患者の妻は週3回人工透析に行っているなどと話した。患者は以前低血糖で倒れたと話し、最近は目がかすむと話した。また、最近食べ物が飲み込みにくいためにゅう麺を食べていたが喉を詰まらせたなどと話した。患者は10年前洋食屋をやっていて、水虫が治らず病院に行くと糖尿病と診断されインスリン注射等したが、2年前に舌が鈍くなったと感じ、人工透析を始めたなどと話した。また、最近は悪性外耳道炎にかかったが、抗生剤で改善したようだ。

突然 のどが詰まった 原因は何か?

 喉が詰まった病名を研修医が予想した。金城は感染症が治りにくいのは糖尿病による免疫力低下のサインだと述べた。サルコイドーシスと予想した堀江は、この病気によって意識消失で倒れたのではなどと話し、合わない点は微熱があることだとした。松浦は敗血症と予想し、意識消失が先だとして、糖尿病による感染症としたが、合わない点は飲み込みづらいという症状だとした。來間は糖尿病性神経障害と予想し、窒息が先で糖尿病からの合併症だとした。

 患者が窒息時にお椀を落としていない点から窒息が先の可能性が高いとした。

 窒息をしてから意識がなくなった場合に考えておかねばならない症状は、嚥下障害として、迷走神経と舌咽神経が病変で冒されていれば飲み込みづらくなるなどと話した。

 腫れていた上咽頭には舌咽神経や迷走神経が通っていたとした。それ以外に飲み込みづらくなる病気として脳梗塞があげられた。

カギは身体診察

 どんな問診や診察をしたかと聞かれた研修医は、カーテン徴候やバレー徴候を調べたいと話した。また、振動覚を調べたいと話した。振動覚を調べるとドン小西は糖尿病だが正常だった。

 再現VTRが流れた。入院3日目。患者は振動覚検査で2、3秒ほどしか振動を感じなかった。バレー徴候は異常無しで、アルコール綿で左右差の検査をすると、顔は左が弱く、体では左右差はなかった。カーテン徴候は如実に出ていた。

病名は?

 研修医が病名を予想した。堀江は上咽頭膿瘍をあげ、免疫力が低下した糖尿病患者は外耳道炎から悪性外耳道炎を発症し、上咽頭膿瘍になることがあるという。來間も上咽頭膿瘍をあげた。松浦は上咽頭がんと予想し、上咽頭膿瘍と迷ったが、生命予後に禍根を残すため腫瘍の除外は必要だとした。先に出ていた糖脳梗塞について松浦は脳梗塞の場合、片マヒが出るはずのため違うとした。

 CTを見ると、骨が溶けていた。骨が溶ける病気について何があるかと聞かれた研修医は悪性腫瘍の浸潤と考えられた。松浦は生検法で体の組織を検査したいと話した。來間は抗生剤の治療を行いたいとした。がんの検査は陰性で、抗菌薬の点滴で症状は改善した。金城は抗菌薬を2週間点滴したところ、嚥下障害は改善されたと話した。これらのことから悪性外耳道炎が病名となった。

正体は悪性外耳道炎!

 森医師は当時を振り返って悪性腫瘍のように広がる外耳道炎を経験したことがなく驚いたなどと話した。患者は悪性外耳道炎になり、上咽頭膿瘍となり嚥下障害を起こした。食べ物を喉に詰めた時は迷走神経反射で意識を消失した。

 金城はこの症例は難しいが、なじみが薄い病気は他科の医師と連携を撮ることが重要だなどと話した。

この記事はテレビ放送ログデータ提供Webサービス「Live on TV」の情報で作成されています。

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