美容クリニックの診療報酬を不正受給したとされる事件で、詐欺容疑で逮捕されたタレントで医師の脇坂英理子(わきさか・えりこ)容疑者(37)が、ともに逮捕された歯科医師重松武(しげまつ・たけし)容疑者(58)=詐欺罪で起訴=から患者役の紹介を受けていたとみられることが9日、警視庁組織犯罪対策4課への取材で分かった。
重松容疑者は、自身の歯科医院でも診療報酬を詐取したとして起訴されており、同課は2人が患者役の情報を使い回し、不正を繰り返していたとみて調べている。
同課によると、2人はもともと知り合いで、千葉県船橋市の同じビルで医院を経営。脇坂容疑者は、重松容疑者から紹介された患者役の大半を1回診察し、その後も通院を続けたように装って虚偽の診療報酬明細書を作っていたという。
紹介された患者役の一部は、歯科医院の不正受給にも利用されていた。患者役として氏名などを使われた50代男性は「歯科医院を受診し、その足でクリニックにも行った」と話している。
両容疑者は2012年11月~14年9月、8自治体から計約155万円を詐取した疑いで逮捕された。脇坂容疑者は「弁護士が来るまで話さない」と供述している。