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整形外科学会が歯科の抗菌薬適正指針【米国整形外科学会】

米国整形外科学会(AAOS)は9月28日、人工関節や整形外科インプラントの使用患者に対する歯科処置時の抗菌薬適正使用基準を発表した。

 同学会によると各種関節置換術や整形外科インプラント留置を受けた患者の大部分で、歯科処置に伴う感染のリスクはない。しかし、AIDSなど重度の免疫不全やコントロール不良の糖尿病、化学療法の実施歴や直近の人工関節感染歴、さらには一部の関節リウマチ治療薬や臓器移植後の合併症予防薬などを使用している場合には歯科処置前の抗菌薬予防投与が考慮される。

 今回の指針作成に当たっては、14人の整形外科医、歯科医、口腔外科医ならびに疫学者から成る投票委員会を設置。患者背景や歯科処置の内容別に設定された64のシナリオに対し、抗菌薬使用が適切かどうかを1から9点のスコアで評価し作成された。

 同学会関係者は「術後感染は非常に危険であり、外科医や歯科医は最も高リスクの患者に対しては過度に慎重な対応をとることが多い」と指摘。今回の指針により人工関節使用患者の抗菌薬使用量を減らす一方、同薬使用を考慮することが妥当な場合を医療従事者に示せればと述べている。

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