消費者庁は21日、2014年までの約5年間に、ベッドや布団などで就寝中に窒息死した1歳未満の子どもが160人に上るとの集計結果を明らかにした。うつぶせ寝や、大人用の寝具に寝かせて起きた事故が目立っており、同庁は「ベビー用のベッドを使い、あおむけで寝かせるよう心掛けてほしい」と注意を呼び掛けている。
消費者庁が、厚生労働省の人口動態統計の死亡調査票を5年分集めるなどして初めて分析した。大半は家庭内の事故で、このうち33人は布団やマットレスなどに顔が埋もれたのが原因だった。
他の原因別の主な内訳は(1)掛け布団などが顔に掛かったり、首に巻き付いたりした(17人)(2)ベッドと壁の間に挟まれて身動きできなくなった(13人)(3)ベッドなどから転落した(7人)(4)家族の体の一部に圧迫された(5人)―など。約80人については詳しい原因が分からなかった。
消費者庁は近く分析結果を公表し、柔らかく埋もれやすい寝具の使用は避け、子どもが払いのけやすい軽い掛け布団を使うことや、就寝中は周りに物を置かないよう呼び掛ける。
政府は6月、相次ぐ子どもの死亡事故を防ごうと、各省庁や警察、消防がばらばらに収集してきた事故情報を共有する「連絡会議」を立ち上げ、消費者庁が事務局を担っている。
人口動態統計によると、14歳以下の子どもは14年までの約5年間、交通事故を除く不慮の事故で毎年300人前後が死亡。おもちゃや食品を喉に詰まらせた窒息死や、ベランダなどからの転落死、浴槽での溺死が目立っており、連絡会議で分析を進める。