噛むと脳が刺激されて頭が良くなるといったことは以前よりよく聞きます。
咀嚼により脳への血流量が増え、広範囲の部位で活性化が起こるからです。
では、実際の歯の本数と記憶力が関係しているのはご存知でしょうか。
天然歯と人工歯(インプラントや義歯)の大きな違いの1つは
根があるかどうかです。
歯槽骨と歯牙の根の部分のセメント質の間には歯根膜があります。
根(歯根膜)がなくなると歯根膜にあるセンサーが機能しなくなり、
感覚低下を引き起こし、脳への刺激信号や感覚情報量の減少に繋がります。
天然歯が少なく欠損歯が多いと義歯等を使用していても
食事に偏りが見られる傾向があり、ビタミンやたんぱく質の摂取量が減少して
脳の活動に影響を与えることも考えられます。
また歯牙の欠損は記憶力だけではなく運動能力も失うといった報告もあります。
特に全歯欠損は心身機能の低下を招くことが示唆されており、
咀嚼力の低下は栄養状態の低下、口腔内の炎症反応等の原因になります。
60歳から75歳までの方々の全歯欠損は10年後の精神的・肉体的な衰えの
リスクファクターになるそうです。
シュガーフリーガムを10分程度咀嚼することにより1億ほどの口内細菌が
ガムに取り込まれ除去できるという効果も期待されているようです。