2017年の「旅行・観光競争力ランキング」が発表され、136の国および地域
の中で日本は前回(2015年)の9位から5ランクアップし、過去最高の4位にな
りました。
本ランキングは世界経済フォーラムが2年に1回発表しているもので、「旅行・
観光関連に効果的な環境」「旅行・観光関連の政策と状況」「インフラ(社会
基盤)」「自然・文化資源」の4領域、14項目、90指標に基づいて採点されて
います。
今回の上位10ヵ国は、スペイン、フランス、ドイツ、日本、英国、米国、オー
ストラリア、イタリア、カナダ、スイス。10ヵ国の顔ぶれは前回と同じで、1位
のスぺインは2回連続です。アジアでは、前回から2ランクアップで11位の香港、
2ランクアップで15位の中国、10ランクアップで19位の韓国が評価を上げています。
90指標のうち、日本が1位のものは、「ビジネス環境」の項目の「旅行・観光
関係企業の多様性」、「健康と衛生」の項目の「衛生的な環境を得られる総人
口中の割合」、「安全な飲料水を得られる総人口中の割合」、「陸上交通と港
湾のインフラ」の項目の「鉄道インフラの品質」など9指標です。
一方、「人的資源と労働市場」の項目の「外国人雇用の容易度」、「国際的
オープンネス」の項目の「査証の免除度」、「環境の持続可能性」の項目の「哺
乳類・鳥類・両生類の絶滅危惧種の割合の低さ」などの6指標では100位以下に
なっています。
世界経済フォーラムは「日本は先進工業国でありながら、観光誘致をおろそ
かにせず、観光部門の活動に国家予算のほぼ4.5%を投資している」「日本はま
た、燃料価格や航空券税が大幅に削減されたおかげで、価格競争力を付けてい
る」などと指摘し、「文化資源を売り込み、天然資源保護と相まって、価格競
争力の改善が全体的なパフォーマンスをけん引している」と結論付けています。
さらに日本について、「優れた文化遺産目当ての観光客やビジネス客が世界中
から訪れている」と高く評価しています。
日本政府観光局が先月発表した訪日外国人客数の1~3月の累計は13.6%増の
653万7,200人。3月単月では前年同月比9.8%増の220万5,700人で過去最高となり
ましたが、伸び率は2013年2月から2桁台が続いていたのが、2カ月連続で1桁台
となり、やや低下を見せています。
観光立国として訪日外国人客数を増やす事も大切ですが、日本が「文化遺産」
「自然」を大切にする国であり続けてほしいと思います。