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【鹿児島】歯と口の健康考える 県内でも催し 神社で2万本を供養

日本歯科医師会などが提唱する「歯と口の健康週間」が4日から始まったことに合わせ、県内でも、健康で丈夫な歯を願う神事や、動物の標本で歯の働きを学ぶイベントが行われた。週間は10日まで。

 県歯科医師会は4日、鹿児島市の松原神社で「歯の感謝祭」を開いた。歯科医ら約50人が出席し、会員から集まった患者の歯約2万本を供養して、歯の健康を願った。

 松原神社は、戦国時代の島津家当主・貴久の家臣、平田純貞をまつっている。純貞は急死した貴久に殉じて、生きたまま棺おけに入って海に沈んで死んだが、その際、あごの骨が砕けるほど強く歯を食いしばったとされる。後に、丈夫な歯を願う人から「歯のかんさあ(歯の神様)」と呼ばれ、参拝されるようになったという。

 感謝祭では、県歯科医師会の森原久樹会長(74)ら関係者が、祭壇に玉串を奉納。森原会長は「歯が良くなることは全身の健康維持につながる。県民一人ひとりが、歯をきれいにすることを意識してほしい」と話した。

◆動物園ではカバの歯みがき
 鹿児島市の平川動物公園では3、4日、動物の歯の標本を使って、歯の仕組みや役割を説明するイベントが行われた。

 カバのコーナーでは、若松富男飼育技師が、カバはあごが150~180度開くことや、獲物や敵と向き合う時に使う犬歯は50センチ近くにまで達することを説明。この後、カバに大きく口を開かせ、歯をヤスリで磨く様子を披露すると、来園者たちは興味深そうに見学していた。

歯「80歳20本」初の5割超 厚労省「意識高まった」

厚生労働省は2日、80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合が推計で51・2%に上り、初めて2人に1人以上になったとする2016年歯科疾患実態調査の結果を公表した。40・2%だった11年の前回調査から10ポイント以上増えた。担当者は「歯を強くする成分を配合した歯磨き粉が増えたほか、高齢者らの口腔(こうこう)ケア意識が高まった結果ではないか」としている。

 20本は、入れ歯なしにほとんどのものを食べられる目安で、厚労省は「8020運動」として、高齢者の口腔ケアを推進している。

 調査は昨年10~11月、全国から抽出した1歳以上の男女6278人を対象に実施し、うち3820人の口の中を歯科医が診察した。

 20本以上の歯がある人の割合は、75~79歳で8・5ポイント増の56・1%、80~84歳で15・3ポイント増の44・2%だった。80歳時点での割合は、75~84歳の結果から推計した。

 1日の歯磨き回数は1回が18・3%で3・6ポイント減少。一方で2回は1・5ポイント増の49・8%、3回以上は2・1ポイント増の27・3%となり、2回以上の割合は前回より増えた。

 調査は6年ごとに実施していたが、今回から5年ごとに変更された。

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