「咀嚼=噛むことが、体にさまざまな良い影響を与える」とは
よく言われてることです。
では、具体的にどういった効果があるのでしょうか。
咀嚼の効用の標語「ひみこの歯がいーぜ」の「ひ」は肥満予防です。
糖尿病、高血圧症、動脈硬化症などの生活習慣病は
肥満が基盤病態になっていて、治療のひとつとして
咀嚼(よく噛むこと)に効果があると考えられます。
通常食の経口摂取と、同カロリーの液体食(胃ろう)では、
神経ヒスタミンの活性化が認められたのは通常食の経口摂取でした。
神経ヒスタミンは咀嚼により放出され、
満腹情報が食事を終了させる摂食抑制作用を発揮します。
神経ヒスタミンは抗肥満物質として有効ですが、
抹消投与では脳血液関門を通過できないので、
咀嚼が必要になってきます。
更に、食後のエネルギー代謝上昇量は、
胃ろうではほとんど認められませんでしたが、
通常食では認められました。
このことからも、体熱産生には咀嚼がとても重要な役割を
果たすことが分かります。
体熱産生機能は硬い食事を咀嚼する事で向上し、
軟らかい食事では低下します。
硬い食事をよく噛んで食べると、
満腹情報を脳が認識するため食べ過ぎを防ぎ、代謝もアップします。
忙しさに追われてて早食いの習慣がついている場合は、
食事内容や食事の仕方を少し見直してみると良いかもしれませんね。
▼参考文献:日本補綴歯科学会「咬合・咀嚼が創る健康長寿」
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g06r2jt09s0rq42l09d9u
(クリックするとPDFが開きます)