咀嚼による8つの効果「ひみこの歯がいーぜ」の続きです。
「ひ」は肥満予防、「み」は味覚の発達、「こ」は言葉の発音が良くなる。
今回は「の」について。脳の活性化のお話です。
噛む運動は脳細胞の活性化を引き起こし、子どもの脳の発達や
認知症予防などにも効果が期待できます。
硬い食べ物を噛むことは、子どもの知能指数や短期記憶能力に
非常に関係が深いことが分かっています。
高齢動物研究では、硬い食べ物を噛むことは
柔らかいものを噛むのに比べて、
加齢による学習効果の低下を遅延させ、
老化を抑制することに関係があると考えられます。
脳梗塞モデル動物研究では、硬い食べ物を噛むことにより
学習・記憶障害をほぼ回復させることが確認されています。
高齢並びにアルツハイマーモデル動物研究では、
逆に、柔らかい食べ物を噛むことは、硬い食べ物を噛むのに比べて
記憶や記憶保持能力が低下する傾向にあることも確認されています。
成熟動物研究では、硬い食べ物を噛むことにより
記憶力が10分後には330倍に到達し、100倍のレベルが2時間強
持続することが確認されています。
食事後に最も記憶力が向上し、食事後5時間で低下したことから、
記憶力の向上が噛むことによるものであり、
2時間の持続性から「噛むこと」と「記憶力」が関係づけられます。
つまり、朝昼夜の食事時間は脳の活性化を継続するため、
理にかなった食事の間隔時間といえます。
噛むことを意識した食事と食べ方で、脳の働きや記憶力に関係が深いと思うと
日々の食事もおろそかにできませんね。
▼参考文献:日本補綴歯科学会「咬合・咀嚼が創る健康長寿」
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g0sxs8u0as0bmp8dm9WMz
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