寝ている間に呼吸が繰り返し止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と、高血圧や糖尿病との間に関連性があるとの研究成果を、京都大の陳和夫特定教授(呼吸器内科学)らの研究グループが発表した。
調査は京大と滋賀県長浜市の共同事業で、2013年7月~17年2月、住民健診を受診した30歳以上の同市民7051人のデータを解析。SASの症状については、専用の機器を自宅に持ち帰って測定してもらった。被験者の数としては世界最大規模という。
その結果、無呼吸が1時間に15回以上と治療が必要なSAS患者は、健常者と比較して、高血圧の割合は2・4倍、糖尿病の割合は2・5倍高かった。特に閉経前の女性は糖尿病の割合が28倍にも上った。
陳特定教授は「高血圧や糖尿病の治療で効果が出にくい人には、睡眠呼吸障害の治療が有用な可能性がある」と話している。
論文は9日、米国の国際学術誌「SLEEP」の電子版に掲載された。