愛知県歯科医師会は26日、東浦町の高齢者を対象に7月~来年3月、口腔内の健康と、身体全体の健康の関係性を探る調査研究事業を展開すると発表した。厚生労働省から補助金も受ける形での全国初の大規模調査となる。
口腔と身体全体の健康は、以前から関係性が指摘されていたが明確な立証はされていない。歯科医師会や厚労省は調査結果を基に、口腔の病気を防ぐ施策を進めたい考えだ。
調査は要介護・要支援者を除く東浦町の65歳以上の1万人余が対象。7月に全員に案内を送付し、9~11月の間に行われる集団検診で、歯科医師が口腔内の細菌や、かむ力の測定、そしゃく機能など7項目をチェックする。同時に身体の衰え具合を尋ねるアンケートに答えてもらう。
虫歯や歯周病の有無などを調べる精密検査も行う。これを基に、愛知学院大歯学部などの協力を得ながら、来年3月にも報告書をまとめる。
厚労省から補助金1300万円が入り、治療費を除き、町民の負担はない。歯科医師会は住民1000人程度の参加を見込む。会は来年度以降、口腔内の病気を治療した際の身体の改善状況を調べることも検討する。
内堀典保会長は名古屋市での会見で「将来的には口腔機能の低下と認知症との関係性も明らかにしたい。口腔ケアを通じ、健康の人が増え、医療や介護費用の抑制につなげたい」と話した。東浦町の神谷明彦町長、半田歯科医師会の冨栄一会長と事業開始に関する協定書を交わした。