加齢に伴い誤嚥性肺炎の発症リスクが増大することが報告されている。公立能登総合病院歯科口腔外科らの研究チームが、65歳以上の高齢入院患者を対象に誤嚥性肺炎発症リスクと関連する口腔要因について検討を行い、さらに、認知症の有無ならびにその種別・年齢に分けた場合における誤嚥性肺炎発症リスクと関連する口腔要因の変化についても解析した。その結果、1353名の対象者全体でみた場合、流涎、粘稠痰、剥離上皮、舌苔、食物残渣、口内炎の存在が誤嚥性肺炎リスクと関連することが判明。一方、歯の存在ならびに義歯使用が発症リスクの抑制と関連した。
また、認知症の有無ならびにその種別に分けた場合、DLB患者が他の認知症発症者ならびに認知症でない患者より有意に誤嚥性肺炎発症率が高くなっていた。また、誤嚥性肺炎発症リスクと関連する口腔因子が認知症患者の種別により異なり、さらに、認知症でない患者とAD(アルツハイマー型認知症)患者においては、その因子が80歳未満と80歳以上の間で異なっていた。