生存期間中央値6.8年の口腔咽頭扁平上皮がん(OPSCC)サバイバー2021例(年齢中央値56歳、男性86.1%)を対象に、下位脳神経障害(LCNP)の晩期発症率と臨床的関連因子を単施設コホート研究で検討した。
その結果、88例(4.4%)が晩期LCNPの診断を受け、診断までの期間中央値は5.4年だった。LCNPの累積発症率は追跡5年時0.024、10年時0.061、15年時0.098だった。多変量コックス比例ハザード回帰解析で、T1分類に比べT4分類(調整後ハザード比3.82、95%CI 1.85-7.86)、標準分割照射法に比べ加速照射法による放射線療法(同2.15、1.34-3.45)に晩期LCNPと独立の関連が認められた。非外科的治療患者の下位集団(1986例)では、ドセタキセル+シスプラチン+フルオロウラシル(TPF)併用(同2.51、1.35-4.67)、TPF+セツキシマブ併用(同5.80、1.74-19.35)などによる導入化学療法に晩期LCNPとの関連が認められた。