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タンパク質はどう摂ればいい?

 推奨される摂取量はどのくらい?
 フレイルやサルコペニアの予防・改善には、筋肉量、筋力、身体機能と強く関連するタンパク質を十分に摂取することが重要です。高齢者(65歳以上)のタンパク質の推奨量は体形や身体活動量にかかわらず、男性は1日に60g、女性は50gを下限としています。言い換えれば、1日に体重1㎏あたり1.0g~1.25g以上のタンパク質を摂取する必要があるということ。一見簡単なようですが、今元気な地域在住高齢者でさえ、多くは1g/㎏体重/日も摂れていないのが現状です。
 では、タンパク質は食材にどのくらい含まれているのかというと、肉類の場合、鶏ささみ(若どり・生)100gで23.9g。和牛ヒレ(生)100gで19.1g。調理方法などにもよりますが、50g以上のタンパク質を摂るには軽く250g程度の肉を食べなければならない計算になります。

レナサイエンス、嚥下機能低下を声から判別、AIシステム開発へ

医療ベンチャーのレナサイエンスは、患者の話し声を人工知能(AI)が解析し、嚥下機能の評価を支援するシステムの開発を始めた。高齢者を対象としたクリニックなどでも簡単に利用できるシステムで、嚥下機能の低下を早期に識別でき、医師の負担軽減につながる。透析中のイベント予測や糖尿病治療支援システムなどの開発で培ってきたAIの知見を生かし、5年以内の実装を目指す。

レナサイエンスは医薬品や医療機器、AIを活用した医療ソリューションの開発を手がけている。同社のルーツである東北大学のほか、東京大学や京都大学など多数のアカデミアや医療機関と提携し、実際の臨床現場におけるニーズを把握。ITベンダーと協力してAIを活用した治療支援システムの基礎的な研究開発を行い、企業へライセンスアウトする事業モデルを基本にしている。

今回、同社は東北大と組み、嚥下機能の評価を支援するAIシステムの開発に乗り出した。高齢化により、食べ物を飲み込み胃に届ける嚥下機能が低下する患者が増えており、誤嚥性肺炎などの原因になる。そのため、早期診断の必要性が指摘されていた。

これまで臨床現場では内視鏡や造影剤を用いて嚥下機能を検査していた。医師が患者の発話などから嚥下機能の低下を判定する方法も、専門性や経験が必要となることから、簡易な診断法への期待が高まっていた。今回、レナサイエンスは患者が話す音声をAIが解析し、嚥下機能低下を判定する診断補助システムの構築を目指す。臨床経験豊富な東北大とも連し、薬事申請も視野に、開発を進めていく。

同社のAI事業ではこれまで、3つの疾患に対する治療システムの開発に取り組んできた。聖路加国際大学や東京大学などと共同して行う、透析中低血圧の発生予測AIの開発では、10万以上の透析データを解析し、システムの基礎を構築している。ニプロとの共同研究も始めた。このほか、呼吸機能検査や糖尿病治療などの支援システムも開発中だ。

今後は研究対象の疾患を10テーマほどに増やして研究開発を進める計画。内藤幸嗣社長は、「今後も現場のニーズに合わせて開発を進めていきたい」と話している。

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