味覚障害は以下のような要因が複雑に絡まって起こることが多いようです。
1、加齢
2、味を感じる細胞の再生を促す亜鉛の不足
3、口腔内が乾燥する口腔疾患
4、鼻づまりやアレルギー性鼻炎などによる風味障害
5、糖尿病腎臓・消化器などのさまざまな病気の合併症
6、薬の副作用
7、ストレス・心因性
8、感染症による影響
私が経験した高齢の患者様のケースでは、
加齢や歯を失うことからくる口腔機能低下や、
服薬(平均5~6種類)の影響が重なって
口腔乾燥が起きていることが多いと感じます。
また、舌の力が低下し、舌に舌苔が蓄積しているな場合にも
味覚障害が多く見受けられました。
このような場合には、唾液の分泌を促して口腔乾燥を改善させる目的で
以下の3つのことを行なっていただき、効果がでています。
●唾液腺マッサージ:唾液腺の活性化、唾液の分泌促進
●口腔粘膜ケア:口腔粘膜への刺激と血流促進、粘膜の新陳代謝促進
●頬のふくらましと舌の体操:口腔機能の維持向上、刺激唾液の分泌促進
口腔乾燥が改善されただけで「味がよく分かるようになった」「ご飯がおいしい」
という声をたくさん聞いてきました。
自分の口が乾いているかどうかは、気がついていないことが多いです。
おかしいな?と思ったら試してみても良いのではないかと思います。
上記の方法で改善されない場合は、医療機関の受診を勧めています。
特に新型コロナウイルス感染症由来の味覚障害は
味蕾細胞にコロナウイルスが侵入しやすい条件が揃っていることから
引き起ることも分かっています。
▼参考:神奈川歯科大学プレスリリース「新型コロナウイルスは、口腔から感染する」
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/l0lfq9o1e02z0lj529CPa