精神病性障害で初めて入院した患者の縦断コホート研究(Suffolk County Mental Health Project)のデータを用いて、精神病性障害患者428例(統合失調症212例、他の精神病性障害216例)の一般認知能力の長期的な推移をコホート研究で調査。学校の記録および診療記録から入院前の認知スコアを抽出し、精神障害発症から6カ月後、24カ月後、20年後および25年後の経過観察時の神経心理学的検査に基づき認知スコアを算出した。
精神障害発症時の平均年齢は27歳だった。認知能力の変化に正常、低下、悪化の3つの段階が観察された。統合失調症患者では、発症14年前から知能指数(IQ)0.35ポイント/年(P<0.001)の割合で認知機能が低下し始め、他の精神病性障害患者(年IQ 0.15ポイント低下、P<0.001)よりも低下速度が有意に速かった。発症22年後、統合失調症患者と他の精神病性障害患者ともに、IQが0.59ポイント/年(P<0.001)の割合で低下していた。