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自閉症の行動障害支援拡充 厚労省が検討会設置へ 対応難しく、虐待や拘束も

 重度の知的障害を伴う自閉症などで自傷や物を壊すといった激しい行動障害がある人について、専門的な人材を育て適切な支援方法を広げようと、厚生労働省が10月に有識者検討会を設ける方針を固めたことが23日、分かった。

 「強度行動障害」と呼ばれ、全国に8千~2万5千人いると推計される。適切な支援や環境を提供すれば多くの行動障害は和らぐとされるが、対応が難しいため虐待や身体拘束の対象になりやすい。厚労省の調査では、行動障害がある人は障害者虐待の被害の約3割を占める。厚労省は施設への報酬を手厚くするなどして、支援の質や受け皿を充実させたい考えだ。

 強度行動障害は元々の障害ではなく、知的障害や自閉症の人の一部に現れる状態。感覚過敏や特定のこだわりがあり、それを言葉で伝えられないため周囲がうまく対応できなかったり、生活環境が合わなかったりすることが原因とみられる。困った家族が施設を頼っても受け入れ先が限られるという実情がある。

 厚労省の検討会は学者や先進的な支援をしている事業者、障害者団体の代表らで構成。厚労省は2013年度から施設職員らを対象に強度行動障害に関する研修を実施している。検討会では研修の在り方や、支援方法をどう定着させるか話し合う。

 光や音など住環境の調整、複数の事業者で協力する体制づくりなども課題になる。23年3月までに一定の報告書をまとめる見通し。厚労省は事業者に対する報酬の24年度改定に反映させ、大規模な入所施設ではなく小規模なグループホームなどでの受け入れを広げたい考えだ。

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