入所していた大分市内の有料老人ホームで昨年9月、嘔吐(おうと)物を気道に詰まらせて窒息死した男性=当時(91)=の遺族が「職員が適切な見守りや対応を怠った」と訴え、施設を運営する同市内の会社に2500万円の損害賠償を求め、大分地裁に訴訟を起こした。2月22日付。
訴状によると、男性は昨年9月19日午前6時ごろ、部屋のベッドで心肺停止の状態で見つかった。口から嘔吐物が流れ出ており、誤嚥(ごえん)窒息による死亡と判断された。
遺族側は男性の健康状態を把握するセンサーに前日の午後9時以降、呼吸や心拍などの反応がなくなっていたと指摘。「センサーのアラームが作動していたはずだ。担当職員がすぐに容体を確認し、適切な措置を講じなかった」と主張している。
遺族側は「2022年3月に施設内で転倒して頭を打ち、体調が悪化した。不適切な管理が繰り返されていた可能性がある」とも訴えている。
施設側は「弁護士に任せている。現時点ではコメントを差し控える」と話した。