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歯科医、介護...広がる業種 中小賃上げ厳しく 企業倒産高水準に

2024年の企業倒産件数(負債総額1千万円以上)が11年ぶりに1万件を超えた。背景には円安に伴うコスト高に加え、深刻な人手不足や後継者難がある。東京商工リサーチの集計では飲食業が00年以降過去最多の倒産件数を記録。そのほか歯科医院や介護事業者など幅広い業界の企業が倒産や廃業に追い込まれた。大企業は昨年に続き25年春闘でも賃上げに意欲を示し人材の囲い込みに力を入れるが、余力のない中小企業は困難な状況が続く。

 ▽いない後継ぎ

 飲食店だけではなく、多くの業種で倒産が広がっている。関東地方の70代男性は長年営業を続けた銭湯を閉めた。施設は老朽化し後継ぎもいないため、補修費用を銀行から借りることが難しいと判断し廃業を決めた。

 歯科医院の倒産も昨年は18年と並ぶ過去最多だった。資材高に加え、歯科医の高齢化に伴う後継者不足も打撃となった。歯科衛生士などのスタッフ確保にも苦戦した。ヘルパー不足に直面する介護事業者や少子化で競争が厳しい学習塾の倒産も最多を更新した。

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