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「マイナ保険証」への移行に伴う暫定措置が間もなく終了する。

「マイナ保険証」への移行に伴う暫定措置が間もなく終了する。8月からは従来の健康保険証を医療機関に持参した場合、医療費全額の10割負担を求められるかもしれない。安心して受診するためにも、気を付けたい二つのポイントを紹介する。

 従来の保険証の新規発行は2024年12月に停止された。「最長で1年間は有効」の経過措置が取られ、それ以降はマイナ保険証か、代わりとなる「資格確認書」の持参が必要となった。

 7月末で終了する暫定措置は、期限切れとなった従来の保険証を誤って持参した場合でも、保険資格が確認できれば、年齢や所得に応じた通常の窓口負担割合で済むようにした対応のことだ。

北海道の歯科医師不足が深刻化 東京との格差最大2400倍 休日の急患なら120キロ先に

北海道内の地方で歯科医師不足が深刻化している。厚生労働省が今年初めて実施した調査では、面積当たりの歯科医師数は都道府県別で北海道がワーストだったほか、2次医療圏別ではワースト12位までを道内が占め、最少の根室や宗谷は東京との差が約2400倍に及んだ。歯科医師が1人もいない道内自治体も徐々に広がり、都市部と地方の歯科医師の深刻な「偏在」が露わになった形。歯科医療の提供体制の維持に向けた対策が急務となっている。

1.口腔機能低下症の提案

日本老年歯科医学会では、2013年に「高齢者の口腔機能低下を病名にできるか」というテーマのワークショップを開催した。ワークショップでは、「口腔機能低下症」、「口腔機能低下症候群」、「口腔老化症候群」、「要介護性口腔症候群」といった病名とその内容が報告された。当時は要介護高齢者のみを想定した病名の検討であった。日本歯科医学会でも2014年に歯科新病名の創生に向けたワークショップを開催した。その結果、「口腔機能低下症」、「口腔機能発達不全症」、「生活習慣性歯周病」、「口腔バイオフィルム感染症」の4つの新病名が提案された。2014年には、国立長寿医療研究センターの研究班から「オーラルフレイル」の概念が発表された。そこで、日本老年歯科医学会では、これまで検討してきた「口腔機能低下症」と、概念としての「オーラルフレイル」を区別して、診断名としての「口腔機能低下症」の検査や診断基準を明確にするために、「高齢期における口腔機能低下 -学会見解論文2016年度版-」を公表した。
 その後、2018年4月に「口腔機能低下症」の検査と管理が保険収載されるに際して、日本老年歯科医学会の支援で、日本歯科医学会から「口腔機能低下症に関する基本的な考え方」が発表された。保険収載されたことにより、多くのデータが集まり、エビデンスが確かなものになっていくことが期待された。また2022年度の改定から、口腔機能管理料の対象年齢が65歳以上から50歳以下に引き下げられた。これによって、より若いうちから、歯科医療が口腔機能へのアプローチを開始できることになり、高齢期の口腔健康をより計画性をもって達成できるようになったと考えられる。「口腔機能発達不全症」の保険収載も合わせて、シームレスに口腔健康を管理する体制構築のバックグラウンドが整ったのではないかと考える。また、令和6年には関連3学会による協議によりオーラルフレイルと「口腔機能低下症」の位置づけを明確化し、国民の口腔機能低下に気付きを確実なものとした。
 さらに令和8年の診療報酬改定により、口腔細菌量検査、咀嚼能力検査、咬合圧検査の施設基準が撤廃された。また口腔粘膜湿潤度検査も算定できるようになった。これにより「口腔機能低下症」の実施件数がさらに伸びることを期待している。口腔機能低下症の検査と指導は手間がかかると思いがちであるが、なんとか工夫していただき、より多くの患者さんに効率よく検査や指導ができるような体制にしていただきたいと考える。
それは増収につながると同時に、患者さんの意識改革や行動変容につながるものと思われる。

歯科の1件当たり点数は0.8%増の1326.9点  令和7年社会医療診療行為別統計

令和7年社会医療診療行為別統計の結果が6月28日、厚労省より公表され、歯科診療所、歯科病院を合わせた歯科全体(総数)の1件当たり点数は1,326.9点で、前年に比べて11.1点、0.8%増加した。1日当たり点数は863.1点で27.3点、3.3%増加した。
1件当たり点数を診療行為別に見ると「歯冠修復及び欠損補綴」387.5点で最も高いが、前年から5.6点、1.4%減少した。次いで「処置」281.3点で6.1点、2.2%の増加、「医学管理等」199.7点で7.8点、4.1%の増加、「初・再診」156.4点で5.2点、3.2%減少となった。
1日当たり点数の構成割合は「歯冠修復及び欠損補綴」が29.2%を占め、「処置」21.2%、「医学管理等」15.1%、「初・再診」11.8%と続いた。
本統計は、医療給付の受給者に係る診療行為の内容、傷病の状況などを明らかにすることを目的に毎年実施。全国の保険医療機関および保険薬局から社会保険診療報酬支払基金支部および国民健康保険団体連合会に提出され、審査決定された診療報酬明細書および調剤報酬明細書のうち、「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)」に蓄積されているもの全てを集計対象としている。

・令和7年社会医療診療行為別統計の概況(厚労省HP)

3次元プリント有床義歯の 診療方針を日本補綴歯科学会が公表。

昨年12月に保険導入された3次元プリント有床義歯の診療方針を日本補綴歯科学会が公表した。主な留意事項は下記の通り。
印象及び咬合採得において、「従来法に基づいて、印象採得及び咬合採得を行う」。デザイン工程では、「得られた作業用模型及び咬合採得物をデスクトップスキャナ等でデジタルデータ化した後、ソフトウェアを用いて、3次元プリント有床義歯のデザインを行う。設計の注意点として、従来法の全部床義歯と比較して機械的物性が劣る傾向がある材料が存在するため、口蓋の厚みは2ミリ以上(研磨を加味し2.2ミリ)を確保する」としている。

外傷性咬合は単独では骨吸収を起こさないが、 歯周炎を悪化させる修飾因子になることが判明。

外傷性咬合は歯周病の直接的な原因ではなく、悪化させる修飾因子とみなされてきたが、分子レベルでの作用機序は明らかにされていなかった。そんな中、東京科学大学と東京慈恵会医科大学の研究グループが、その作用機序を解明するべく、歯周炎モデルマウスおよび外傷性咬合モデルマウスを作製。対照群、歯周炎群、外傷性咬合群、歯周炎+外傷性咬合群の4群を対象として、歯周炎発症早期の歯周組織における遺伝子発現変化を解析した。
その結果、歯周炎群および歯周炎+外傷性咬合群の歯肉、歯槽骨、歯根膜において、多数の発現変動遺伝子を確認。特に、歯周炎群と歯周炎+外傷性咬合群を比較すると、骨における遺伝子発現変動が著明であり、多くの炎症関連遺伝子および骨代謝関連遺伝子群の発現が上昇していることが明らかになった。

インプラントは一生のものではありません。

歯を失ったとき、インプラントで治療する人は増えている。顎の骨に人工の歯根を埋め込み、上に人工の歯を取り付ける治療法で、入れ歯より安定しやすく、ブリッジのように隣の歯を大きく削らずに済むこともある。食事や会話の質を高める利点がある。

ただし、インプラントを「一度入れれば一生大丈夫」と考えるのは避けたい。歯科治療で最も大切なのは、単に失った歯を補うのではなく、できるだけ長くかめる状態を保つことが大切です。

障害者の歯科治療を向上させたい 静岡の専門医が全国的な医療機関の連携を模索

障害があり、歯科治療を嫌がったり、怖がったりする患者に、いかにリラックスして治療を受けてもらうか。障害者歯科を専門とする歯科医師は鎮静剤を用いるなど、細心の注意を払って対応している。一方、こうした対応が可能な歯科医師は限られ、「歯科難民」になる人も。事態を打開しようと、専門医が医療機関の連携を模索し始めた。 (藤原啓嗣)

 6月初旬、知的障害のある男性が定期的な検診のため、よこすな歯科(静岡市清水区)を訪れた。当初は「嫌だ」と不安がっていたが、歯科衛生士が笑顔で診察台へ誘導。次第に落ち着きを見せると、小笠原正院長(67)は笑気ガスを吸引させる処置を始めた。ガスの効き具合を確認し、静脈から鎮静剤を注入。心拍や血圧などを見ながら歯石を取り、虫歯がないかを調べた。小笠原さんは「入れ歯を使えない知的障害者もいて、自身の歯を極力残す治療が大切」と話す。

 昨年は一般の患者に交じり障害者延べ1373人を治療し、そのうち440人に鎮静剤を用いた。口の中を触られることを嫌がったり、診察台に座ることを怖がったりする人もいる。小笠原さんは初診の患者を診る場合、知能の発達度合いを測って本人が理解してできることを見極め、保護者や入所施設の責任者と治療方針を決めていく。「治療の目的を理解すると自ら診察台に座って、鎮静剤を用いずに治療できる患者もいる。患者の人となりを理解することから始めている」

 愛知県蒲郡市出身の小笠原さんは子どものころ、股関節の病気のため、障害者と施設で過ごした。その経験をきっかけに、それぞれの障害者の特性に合った治療が必要だと考え、障害者歯科の専門医を志した。松本歯科大(長野県塩尻市)で教授を務めた後、地域の診療拠点をつくろうと2022年に開業した。

 現在は、日本障害者歯科学会の理事としても地域医療に携わる。国内では1980年代に身体拘束から鎮静剤を用いた治療への転換が始まった。今は専門医のいる歯科クリニックや地域の歯科医師が活動する口腔こうくう保健センターなどで笑気ガスや静脈から鎮静剤を導入する治療法が用いられている。大学病院は全身麻酔による治療を実施している。

 一方、鎮静剤を用いた治療には経験が必要で、人員や機器の確保、安全性の担保も欠かせない。専門性の高い医療機関のみが治療を担い、そこに患者が集中して予約が取りにくい地域もある。さらに、地方によっては十分な医療機関がない「歯科医師の偏在」も課題となっている。

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