記事一覧

第629回中央社会保険医療協議会総会

11月21日に都内で開催され、令和8年度診療報酬改定に向け「歯科医療」について、今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた5つの論点を議論した。歯科医療については、9月10日に開催された第616回総会において歯科医療を取り巻く現状や歯科医療提供体制に係る現状と課題を確認していたところである。
本総会では、厚労省から資料説明が行われた後、日本歯科医師会常務理事の大杉和司委員が論点に沿って、▼歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療▼多職種連携▼歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保▼歯科治療のデジタル化等―などについて発言した。

都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会

11月12日に開催され、次期診療報酬改定や、新会員管理等システムの開発状況等について説明、報告があり意見交換を行った。
高橋英登会長は挨拶で、日頃の会務運営の実務を担う各都道府県歯専務理事に対して敬意を表した。また、令和6年度の歯科医療費が3兆4,033億円だったことに触れ、令和5年度比で1,108億円の伸び、1診療所あたりでは217万円増加したと述べた。令和6年度は厳しいトリプル改定の中、これだけ勝ち取れたことについて会員はもちろん、前執行部からの先生方のご尽力、また歯科医師会、歯科医師連盟の努力の証であると感謝した。
一方で、われわれが早急に取り組まなければならない課題は会員の減少、歯科医師の偏在問題であるとし、地元のことを一番に理解している専務理事の先生方には日歯に現状を伝えていただきたいと話した。
さらに、国の補正予算による物価・人件費高騰分の確保や、次期診療報酬改定などを喫緊の課題と認識し、現場の声を聞きながら会務を執行していく考えを強調した。
同協議会ではこの他、歯科医療提供体制関係報告、一般会務報告、所管報告等が行われた。

政府がAIデータ共有を促進、医療・教育分野にも波及

政府は11月4日、AI(人工知能)戦略を議論する有識者会議を開き、AIの性能向上に向けて産業データを企業や組織の枠を超えて共有する方針を示した。医療・教育・建設などの分野を対象とし、日本の強みを活かした技術革新を世界に展開していく考えである。

 年内に策定予定のAI基本計画に盛り込む方針で、小野田紀美 AI戦略担当相は「信頼できるAIを起点としたイノベーションの好循環に向け、安全性とセキュリティー強化が必要である」と述べた。
【メディファクス】

社保審部会 令和8年度診療報酬改定に向けた基本方針を議論

社会保障審議会の医療保険部会(10月23日)および医療部会(同27日)において、令和8年度(2026年度)診療報酬改定に向けた基本的な方向性と視点が議論された。
 今回の改定では、物価や賃金の上昇、人手不足など、医療機関を取り巻く環境の変化にどう対応するかが重点課題とされている。

視点1:医療現場の基盤整備
 人件費や医療材料費の高騰、医療従事者の処遇改善への対応をはじめ、業務の効率化を図るためのICT・AI・IoTの利活用推進が議論された。
 また、タスク・シェアリングやタスク・シフティング、チーム医療の推進、医師の働き方改革や診療科偏在対策、診療報酬上の基準の柔軟化なども検討テーマとなった。

視点2:地域医療体制と包括ケアの推進
 「2040年ごろを見据えた医療機能の分化・連携と地域包括ケアシステムの構築」が掲げられ、高齢者の生活を支えるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の強化や、かかりつけ歯科医の評価のあり方についても意見が交わされた。


視点3:質の高い歯科医療の推進
 「安心・安全で質の高い医療の提供」をテーマに、口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応強化、歯科治療のデジタル化推進など、生活の質(QOL)を重視した歯科医療の充実が求められている。
【歯科通信】

ベースアップ評価料届出は36.3% ~ 80億円の財源が無駄に

日歯会の大杉常務理事は、12日の都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会でベースアップ評価料を届け出ている歯科医療機関が9月1日時点で36.3%にとどまっていることから、80億円以上の財源が使われないことになると試算し「ホスピタルフィーによる賃上げが必要と認識している」と述べた。

 すべての歯科医療機関がベースアップ評価料を算定した場合の年間財源は150億円で、現状3.5割の届出状況で試算すると52億5,000万円程度になると言及し、6年度改定後の10か月分で推計すると81億2,500万円の財源が使われなくなるとした。
【歯科通信】

「健康診断で歯周病の検査を」― 厚労省が実施企業を支援へ

11月8日、厚生労働省は2026年度、健康診断で歯周病の検査を実施する企業などを支援する方針を固めた。職場での検査を通じて、歯周病の発症が増える現役世代を対象に、早期発見や治療につなげるのが目的。

 厚労省は、通常の職場での健診に加えて歯周病の可能性を調べる唾液検査を実施する企業を対象に、検査担当者の人件費や、結果の分析費用の一部を補助する考え。
 検査には、従業員が容器に垂らした唾液を専用のシートにつけて、唾液中の血液成分の混ざり具合をみる方法などがある。歯周病の可能性が高いと判定された従業員には、企業から歯科医院への受診を促してもらう。

 政府は今年6月の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に、全国民が生涯を通じて歯科健診を受ける「国民皆歯科健診」に向けた具体的な取り組みの推進を盛り込んだ。この一環で、厚労省は26年度予算の概算要求に、職場での唾液検査などを進めるため1億8,000万円を計上している。
【読売新聞オンライン】

※日歯会は簡易検査中心の国民皆歯科健診に懸念を示し、精度や受診誘導への影響を踏まえた慎重な運用を求めている。

保険料や窓口負担に金融所得を反映 法定調書を活用して応能負担を徹底

厚生労働省は11月13日の社会保障審議会医療保険部会で、金融所得(株や債券などの譲渡、配当、利子所得)を社会保険における保険料や窓口負担に反映し、後期高齢者にも応能負担を徹底する方針を示した。 金融所得の勘案には、税制における法定調書を活用する案を提示。それを実現させる場合は、法定調書のオンライン提出義務化や法定調書へのマイナンバーの付番・正確性確保、システムの整備などが必要になるとして、コストとスケジュールの検討を早急に進めるべきだとしている。

令和6年度概算医療費で歯科は3兆4,033億円。70歳以上75歳未満が全階級で唯一のマイナス。

令和6年度概算医療費が厚生労働省から公表され、歯科は3兆4033億円で、前年より1108億円増加した。5歳ごとの年齢階級別では、95歳以上100歳未満がプラス14.1%で最も伸びた一方、70歳以上75歳未満がマイナス3.8%と、全階級で唯一の減少となっている。

ページ移動

過去ログ