① 「医学部・歯学部・薬学部の定員数の削減」について
歯科医師については、「平成24年(2012年)以降、国家試験の合格者数が平均で
定員数の 8 割程度となっており、既に定員数が過剰な状況にある。そもそも、今後
の人口減少や医療提供の効率化を踏まえれば、歯科医師・薬剤師を更に増加させる
必要性は乏しいとも考えられる。」とし、「理系の学問分野間の人材配分の適正化
の観点からも、医学部・歯学部・薬学部の大胆な定員削減に踏み切るべきである。」
とまとめられている。しかしながら、この指摘は、歯科医師においても顕著化しつ
つある地域偏在や、人口の高齢化等に伴う歯科保健医療の構造変化(在宅歯科医療
や口腔機能管理の需要増など)を全く踏まえておらず、単に「総数」のみに着目し
た多角的な視点を欠く、極めて不十分な議論と言わざるを得ない。
定員のあり方については、単なる削減論に終始するのではなく、地域偏在や社会
構造の変化に伴う歯科保健医療ニーズの実態を精緻に分析した上で、関係者による
丁寧な議論を尽くして慎重に今後の方針を示すべきである。
② 「高齢者医療における患者自己負担の在り方」について
高齢者医療における患者自己負担については、「就業率や医療ニーズの実態を踏
まえれば、70歳から74歳の者についてはもはや一律に高齢者扱いすべきでないとも
考えられる。負担能力に応じた負担とする観点から、原則3割負担とするとともに、
高齢者のみに適用される外来特例は廃止とすべきである。その上で、75 歳以上の者
の負担割合については、「原則 3 割負担化」を目指す過程で、仮に経過的な措置と
して窓口負担割合に年齢による一定の線引きを残すとしても、現行の線引きをゼロ
ベースで見直すとともに、例えば、新たに75歳以上となった方々の負担割合は74歳
までの負担割合のまま維持することとすべきである。」とされ、高齢者に対して負
担を求める内容となっている。
我が国の人口動態に鑑みれば、高齢者医療における患者自己負担の在り方につい
て議論を深めること自体は理解する。自己負担割合の引き上げが高齢者の受療行動
の抑制や疾病の重症化にどのような影響を及ぼすかについて、客観的なデータに基
づき正確に把握した上で、極めて慎重に検討を行うことが不可欠である。
③ 「租税特別措置・補助金見直し」について
租税特別措置・補助金見直しについては、「効果が乏しい施策から効果の高い施
策への重点化を進めていくための新たな取組」として位置付けており、「3万7千件
に及ぶ国民からの提案募集の結果も踏まえ、補助金や基金事業について、効果検証
の強化、政策目的と手段の精査、透明性・効率性の向上等に取り組むとともに、こ
の取組を一過性のものとせず、歳出改革として補助金・基金の在り方の見直しにつ
なげ、国民への説明責任を果たしていくべきである」との記載もされ、政策実施後
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の成果を測定し、必要に応じて修正するなど、より良い政策へと更新していく予算
編成サイクルを回すことが重要であり、その中核として、EBPM(証拠に基づく政策
立案)の活用の一端として、今後の一層の推進を求める内容となっている。
証拠に基づく政策立案の重要性は認識しているが、医療・保健分野においては、
短期的な効果判定が困難な事業や、効果の数値化自体が馴染まない性質の事業等や
維持を目的とした事業も多数存在する。したがって、画一的な効果検証に陥ること
なく、個々の事業の性質を十分に把握した上で、慎重に評価・検討を行うことが不
可欠であると考える。