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歯科衛生士による浸潤麻酔 研修内容など大筋合意

 厚労省の「第2回歯科衛生士の業務の在り方等に関する検討会」が2月25日に開かれ、歯科衛生士が歯科診療の補助として行う浸潤麻酔行為への対応方針や、最低限求められる研修内容などの大枠について大筋で合意した。

 議論のなかでは「研修を受けたから浸潤麻酔ができる、やらなければいけない―ということではない。実施については、現場で院長が個々の状況に応じて判断する必要があり、リスクと責任が伴うことを歯科医師・歯科衛生士・国民に理解を求めるべき」などの意見が出ていた。

 現状、浸潤麻酔行為を実際に行なっている歯科衛生士がすでに存在し、法律上の問題はないものの、卒前教育が不十分な状況下での患者の安全・安心を担保する観点から、必要な知識・技術を習得するために求められる具体的な研修内容を示すこととなった。

 今回、研修内容でカバーされる行為は、SRPを実施する場合の浸潤麻酔に限定されている。
【歯科通信】

日歯連太田会長「法改正に向け全力」
 ― 労働安全衛生法で
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 日本歯科医師連盟の太田謙司 会長は、労働安全衛生法の一般健診項目に歯科を追加するためにも、法改正に向けて全力を向けて取り組んでいく構えを見せた。3月13日の第204回日歯会臨時代議員会の来賓挨拶で述べたもの。

 太田会長は、「法改正が大変なことは十分に承知している」と前置き。「疾病が労働環境に悪影響を与えるということで、医科のさまざまな健診項目が入っている。口腔内の健診が、その後の長い労働人生の中で、いかに全身をよくしていくかというエビデンスをしっかりと整えていただき、法改正に取り組める環境を整えていきたい」と意気込みを語った。
【歯科通信】


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抗がん剤治療中の患者 歯科の早期介入が重要
 ― 低栄養や口内炎などを抑制
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 多職種チームによる早期介入で、抗がん剤治療中の口内炎が軽症化し、手術後の体重減少も抑えられる―。岡山大学病院歯科・予防歯科部門の山中玲子 助教などの研究で、噛み合っている奥歯の数が多い患者は、少ない患者よりも栄養状態が悪く、噛み合わせが多い患者は専門家の介入が遅れていたことがわかった。

 研究結果により、術前の抗がん剤治療前の口腔内や全身の状態に限らず、すべての患者に専門家のチームが早期から介入することが望ましいことが判明した。
【歯科通信】

郡市区2割に無・準無歯科医地区あり

郡市区歯科医師会会長を対象とした調査で、約2割の郡市区で無歯科医地区・準無歯科医地区がある。日本歯科総合研究機構の「地域の歯科医療提供体制および今後の働き方に関する調査」報告書によるもで、3月13・14日の両日に開かれた日歯会の第204回臨時代議員会で報告があった。

 調査はすべての郡市区歯会長(742人)を対象にGoogleフォームを使って1月中に実施。有効回答数は488人(有効回答率65.8%)。
 将来の継承の予定では「すでに継承している」7.1%、「後継者(候補者)はいるが継承は不明」4.1%、「継承の予定なし」45.3%となっている。
【歯科通信】

寿命の地域格差30年で拡大 都道府県間最大2・9年に 医療、生活習慣影響か 慶応大など分析

1990~2021年の約30年間で、日本の平均寿命は5・8年延びて85・2歳となった一方、47都道府県で最長と最短の差が拡大したとの分析結果を慶応大などのチームがまとめ、21日付の英医学誌に発表した。90年に2・3年だった差が21年には2・9年に広がっていた。

 延びが大きかった地域では、医療へのアクセスや生活習慣の改善、健康を支える仕組み作りなどを積極的に進めたとみられる。チームの野村周平(のむら・しゅうへい)慶応大特任教授(国際保健)は「そうした地域の取り組みを共有することで、格差是正につながる可能性がある」としている。

 チームは国の人口動態統計などのデータを分析。平均寿命は全都道府県で延びたが、小数第2位を四捨五入した90年の平均寿命が最長の沖縄(80・6歳)と最短の大阪(78・2歳)の差が2・3年だったのに対し、21年では最長の滋賀(86・3歳)と最短の青森(83・4歳)の間に2・9年の差があった。

 健康上の問題がなく生活できる「健康寿命」と平均寿命との差も、90年に9・9年だったのが、21年には11・3年に拡大した。野村さんは高齢化が一因とみており「『健康な長寿』の実現が課題だ」と指摘した。

 異なる時期や地域間の比較を可能にするため、人口の年齢構成の違いを考慮して補正した死亡率を算出すると、約30年の間に全国の死亡率は41・2%減少していた。脳卒中や虚血性心疾患による死亡率の低下が影響したとみられる。減少幅が最も大きかったのは滋賀で49%、最も小さかったのは沖縄で29・1%だった。

 病気ごとの解析では、誤嚥(ごえん)性肺炎などを引き起こして死亡した認知症の人が、21年は10万人当たり135・3人で、90年の29・38人から大きく増加した。高齢化が主な要因で、21年に114・9人だった脳卒中や、96・5人だった虚血性心疾患を上回った。

2023年歯科診療所数は前年937施設減少。

2023年医療施設(静態・動態)調査の結果が公表され、歯科診療所は開設・再開が1555施設だったのに対し、廃止・休止が2492と大きく上回り、前年と比べ937施設減少し、6万6818施設となっ。医療法人が436施設施設増えたものの、個人が1374施設の減少。団塊世代となる院長の高齢化に加え、後継者難、歯科衛生士不足などでこの傾向は続くものとみられる。

令和5年の1日推計患者数は126万3800人。令和2年の調査時より6万8300人減少。

厚労省が公表した2023年患者調査によると、歯科診療所の1日推計患者数は、20年に実施された前回調査より、6万8300人減少し、126万3800人。2017年より減少の傾向が続いている。年齢別にみると「70~74歳」が12万9300人で最多。60歳以上が全体の半数を占めている。疾病別では、「う蝕」が21万6300人、「歯肉炎及び歯周疾患」が53万6200人。人口10万人対受療率は全国で1016となり、都道府県別では、大阪府が1370と最も多く、神奈川県が1295、山口県が1225と続いている。

光学印象の届出は8,983施設。3診療科以上標榜している診療所が約8割。

ミーカンパニー株式会社が光学印象届出施設のデータ分析を行い、将来的に口腔内スキャナを導入するポテンシャルのある歯科診療所の属性評価を行った。その結果、2024年9月時点での届出は8983施設。届出群の約5割が法人運営で、未届出群の約8割が個人運営の歯科診療所であることがわかった。

電子処方箋の普及率

1月12日現在、電子処方箋は歯科診療所で1,010施設(1.7%)に普及している。薬局では3万8,188施設(63.2%)、病院・医科診療所の導入率はいまだ約1割弱にとどまっている。厚生労働省は「電子処方箋を今年3月までに普及する」との目標を設定していたが今夏まで延長することが決まった。

 日本歯科医師会常務理事の大杉和司 委員(社保審)は医療DXを推進していくうえで、電子処方箋は有効な手段の一つであるものの、8割以上の歯科医院が院内処方による投薬が中心であるため「院外処方を前提とした現在のシステムでは十分なメリットが享受されていない」と低い普及率の問題点に触れ、1月より始まる院内処方の拡充対応(プレ運用)に期待感を示した。
【歯科通信】

歯科健診の環境整備は重要

1月29日の参議院本会議で比嘉奈津美 議員の質問に対して、石破 茂 内閣総理大臣は国民皆歯科健診について「歯と口腔の健康が全身の健康につながると認識している」と述べ、「生涯を通じて定期的に歯科健診を受けていただくための環境を整えることは重要」との考えを示した。
【歯科通信】

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